昨晩、タイ人講師が都合がわるくなったので、私が代講した。2018年を総括するにあたり、生徒の皆さんがどのくらいのタイ語力をつけたかを見るのが楽しみであった。
「พยายามเรียนภาษาไทยให้ดี เท่าที่จะทำได้ 出来る限りタイ語が上手になるように頑張って勉強します」という文型が出て来たので、生徒達に応用文を作らせた。生徒達はめいめいに上手に文を作った。
だが、一人の生徒が言った。「タイへ行くと、なんだか単語しか発していないような気がします。長い文章をしゃべりたいです」
そこで、私は助言した。「関係代名詞のที่やซึ่งを使って、思いついた表現をどんどん足していけばいいと思います。一輛の電車に連結器をつかって、後ろにどんどん車輌をつないでいけばいいのです。しかし、のろのろと運転していると間延びしますから、新幹線のようなスピードで話せるように訓練することです」
生徒達の口もとを観察すると、皆が皆、こわばっていた。寒さのせいではない。訓練不足である。
和装の美と格
今朝のニュースで、ノーベル賞授賞式の様子が報道された。本庶先生は紋付の羽織袴で臨まれた。堂々としておられ、実にすばらしかった。
授賞式に臨む数日前、「何故、燕尾服を着ないのですか?」という記者からの質問に対して、「日本人には燕尾服は似合わない」と言い放ったところは小気味よかった。
令夫人の和装もはっと息を吞むようであった。着物の美しさを世界中に発信してくださった感がある。やはりニュースで見たが、奥様の着付けを担当される専門家が3名、ストックホルムに同道したとのこと。着物は着付けひとつで、きりりともするし、だらだらにもなる。
日本の伝統美は日本人の精神で支えられている。伝統美を味わえば味わうほど、日本人が「格式」を重んじていることがよくわかる。
含翠という銘の茶碗
昨日はお茶の稽古日であった。軸は「無事是貴人」。その意味は、今年もどうにかこうにか無事に暮らせたことに感謝し、自分自身の生き方を貴ぶ、ということらしい。香合は張り子の犬。戌年であるワンちゃんとそろそろお別れなので、名残を惜しんでのこと。花は真っ赤な椿。
そして、茶碗は「含翠」という銘で、大石内蔵助が討入り前に滞在していた京都の来迎院という寺院の中に建てた茶室である「含翠軒」から由来しているそうだ。右二つ巴の陣太鼓の印もちゃんとついている。
そういえば、12月14日の討入りの日が近い。敵討ちの物語はあまり好きではないが、敵討ちがなければ文学は生まれない。古今東西、いくらでもある話だ。
銀杏の葉もかなり落ちた。寒くなった。緑が恋しい。それには、松を仰ぎ、苔を見よう。
100グラム vs 1 キロ
昨夜、泰日文化倶楽部の元講師からラインで写真が送られて来た。ものすごく太った女性の写真であった。そして、次なる文章がついていた。
「ไม่ต้องถามทำไมเราถึงอ้วน เพราะลดวันละขีด กินวันละโล」
(訳:私がなんで太っているかなんて訊かなくてもいいわ。だって、1日に100グラム減量しても、1日に1キロ食べてるからよ」
では、この文章を応用して、次なる文をタイ語で書いてみてください。
1)私が何故タイ語を話すのが上手にならないか訊かなくてもいい。理由は、1日に1語覚えても、1日に10語忘れるから。
2)私が何故、金持ちにならないか訊かなくてもいい。理由は、1日に5千円稼いでも、1日に1万円使うから。
3)彼がどうして仕事がのろいのか訊かなくてもいい。何故なら、1日に2時間働くが、1日に6時間、休憩しているから。
更紗文様
古本屋で買って来た『きもの文様事典』(本吉春三郎著 婦人画報社 昭和54年)をパラパラとめくっていると、<更紗文様>という説明に目が止まった。
「更紗は室町時代から桃山時代、江戸初期にかけて南蛮船で舶載された、木綿を主とする南方諸国の色彩的な染物(インド更紗、ペルシア更紗、ジャワ更紗、シャム更紗)をいう。モチーフは、人物、鳥獣、花卉、蝶、虫などが、それぞれの産地のローカルカラーで特色づけられている。佐羅紗、皿紗、華布、印華布などの字をあてる。語源はインド西海岸のスラートという古い港町からでたといわれる」
長い引用になったが、更紗文様が南蛮船によって日本にもたらされ、そして、自然を愛してやまない日本人に素直に受け入れられたことが興味深い。これから先、人的交流によって、いかなる文化が日本にどのように取り入れられ、かつ、定着して行くか…..。それには百年以上を要するであろう。
ヤマ・シークニンポン酢
昨日、自宅近くを散歩していたら、ゴルフ用品の店がいつのまにか健康食品の店になっていた。外から見ると沖縄や奄美の製品を売っていることがわかったので、中に入ってみることにした。
主として鹿児島周辺で生産・製造された食品や化粧品が目にとまった。購入したものは、純黒糖ブロック、黒糖ピーナッツ、ヤマ・シークニンポン酢、そして、薩摩の黒酢炊き山椒(きびなご)の4点。
ポン酢の瓶には、「シークニンは鹿児島県徳之島に古来より自生しているみかん。小ぶりで鮮やかな緑の果皮に包まれた実は、爽やかな酸味と香りが特徴です」と書いてある。ネットで調べると、タイのマナーオ(มะนาว)に似ている。
今日は二十四節季の中の「大雪」。シークニンには相当量のビタミンCが含まれているそうだから、これからの季節にはもってこいだ。
古本屋 vs
消えた古本屋横丁
昨日、夕方6時スタートの授業までに時間が有ったので、高田馬場駅前のドンキホーテが入っているビルの地下に在る「カンタベリー」という喫茶店に入り、シフォンケーキ・セットを食べながら、新聞3紙を読んだ。いずれも似たような記事ばかりで面白くない。
そのあと、同じビルの5階に在る芳林堂の「古本屋横丁」へ行こうと思って、エレベーターのボタンを押すと、「この階には止まりません」という音声が流れた。そして、5階の店舗案内は空白になっていた。
仕方が無いので4階の語学、歴史、法律、受験、そして、文具のコーナーへ行く。そして、店員に訊いてみた。
「古本屋横丁は無くなったのですか?」
「はい、先月中旬にやめました」
あまり誰も来ない古本屋横丁。そこで昔の本の背表紙をじっくりと眺めるのが楽しみだったのに……。
和菓子屋はずっと続いている。だが、本屋はもちこたえるのが非常に苦しそうだ。
タイ字紙の見出しと英語
バンコクへ3泊4日の旅をして来られた生徒さんからタイの新聞をお土産に頂いた。新聞の名前は「โพสต์ทูเดย์ Post Today」。見出しを見ていると、英語がはさまっているのが多い。少しばかり以下に列挙するので訳してみてください。
1)ช็อปปิ้งคืนแวต5%
2)บางกอกแอร์ชิงดิวตี้ฟรี
3)เจาะอุโมงค์‐โทลล์เวย์แม่สอด
4)เจาะตลาดข้าวฮ่องกง
5)เข้างานมอเตอร์เอ็กซ์โปศึก
6)รับยุคดิจิทัล
7)ปลูกสตรอเบอรรี่ฤดูหนาว
8)ลุยสมาร์ทซิตี้
9)บรูไน…ไปแล้วจะรู้ อยู่แล้วจะรัก
山手線の新駅が、「高輪ゲートウェイ」と決定した。では、タイ語ではどう書きますか?
仕事の面白み
12月はあくせく働かず、一年の反省もこめてのんびりと過ごしたいと思っている。だが、今年はなんだか忙しい。仕事に恵まれていることにまずは感謝。
私は通訳という仕事上、いろいろな境遇にいるタイ人に会う。そして、その都度、タイ社会やタイ人の家庭環境をかいまみることができて非常に勉強になる。バンコクやチェンマイへ観光に行くよりもはるかに知識が増え、かつ、刺激的でもある。
当たり前のことだが、百人百通りの生きざまがある。まさしく、「หลายชีวิต 幾多の人生」だ。お母さんの手伝いをして魚売りをしていた(ช่วยแม่ขายปลา)タイ人にも会うし、おじいちゃんがラーマ9世の護衛官(องครักษ์)をしていたという若者にも会う。電気工(ช่างไฟ)として、日本の造船所(อู่เรือ)で働いた経験を持つタイ人にも会うし、北陸の温泉旅館で布団の上げ下ろしをやっていたというタイ人にも会ったことがある。
アユタヤ時代の王の末裔にも会ったことがあるが、それは名字(นามสกุล)から一目瞭然であった。
今や日本の各所に於いてタイ人を見かけるようになった。彼らとタイ語で話ができるよう、日々、語彙力を増やそう!