含翠という銘の茶碗

昨日はお茶の稽古日であった。軸は「無事是貴人」。その意味は、今年もどうにかこうにか無事に暮らせたことに感謝し、自分自身の生き方を貴ぶ、ということらしい。香合は張り子の犬。戌年であるワンちゃんとそろそろお別れなので、名残を惜しんでのこと。花は真っ赤な椿。
 そして、茶碗は「含翠」という銘で、大石内蔵助が討入り前に滞在していた京都の来迎院という寺院の中に建てた茶室である「含翠軒」から由来しているそうだ。右二つ巴の陣太鼓の印もちゃんとついている。
 そういえば、12月14日の討入りの日が近い。敵討ちの物語はあまり好きではないが、敵討ちがなければ文学は生まれない。古今東西、いくらでもある話だ。
 銀杏の葉もかなり落ちた。寒くなった。緑が恋しい。それには、松を仰ぎ、苔を見よう。