夏越の祓(なごしのはらえ)

昨日、お茶席で、「水無月」という菓子が出された。6月末(สิ้นเดือนมิถุนายน)の「夏越の祓」にいただく菓子だそうである。
 昔は高貴な方だけが氷を入手できたが、庶民には無理。そこで、氷を模した半透明の白い菓子に、邪気を祓うといわれている小豆を乗せて、半年間のお祓いに食したそうだ。それが、「水無月」という菓子だ。
 今年もそろそろ半年(ครึ่งปี)を終えようとしている。もうすでに真夏に近い日差しだから、夏ばて対策は今から十分にしておかなければならない。
 泰日文化倶楽部の生徒達の夏休みの楽しみ方はやはりタイ行きだ。タイへ行くことこそが、日本での邪気を振り払い、新たなる気持ちのスタートとなる。逆に、タイ人は日本への旅行でリフレッシュをはかっている。互いにその繰り返しを重ねながら、いろいろな発見をしたいものだ。

ぽつりぽつりの英語

昨日、原宿から山手線に乗ると、小柄なマドモワゼルが日本の青年にフランス語で話しかけている。「あら、素敵な彼女を持っているわ!」と思ったが、それは私の勘違いであった。マドモワゼルは上野へ行く方法をたずねたかったようだが、青年がフランス語がわからないということがわかったので、彼女は英語に切り替えた。
 英語になると、青年も反応をし始めた。電車のドアの上に出る山手線の駅名を数えながら、「シックスティーン」と答えた。だが、私には、「シックスティ」に聞こえた。そして、「28分」と、英語で教えてあげていた。
 いずれにせよ、マドモワゼルは山手線に乗り続ければ、上野へ行けることがわかり、ほっとした様子であった。そして、青年に「アリガト」と日本語で言った。
 私は一切の助け舟を出さなかった。青年が、「よし、今日から英会話をやるぞ」と思ってくれることを期待する。

懇切丁寧な指導

昨日、鑑識課のS氏と一緒に仕事をした。彼は私を見るなり、こう切り出した。「戸島さん、知ってる?」
 「はい、K署で一緒に仕事をしたことがあります。25年位前に」と、私はすかさず答えた。
 「ということは、私もその場にいたから、会ってるわけだね」
 S氏が戸島氏の部下であったことが、この短い会話の中で分かった。S氏の仕事ぶり、そして、部下に対する懇切丁寧な指導を見ていると、戸島氏そっくりであった。
 戸島氏が鑑識のプロ中のプロであり、タイ警察でも大活躍されたことはつとに有名である。著書もお有りだし、テレビドラマにもなった。彼の徹底した教えが、S氏にしっかりと伝わっている。
 現場検証を終えて、階段を下りるS氏はひざが痛そうであった。私も同じくひざの調子が悪い。お互いに年をとったなあと思った。

ミニバラ と 都電の駅員さん

今朝、私が乗ったバスが王子駅を通過することがわかったので、王子駅で降車した。あとは都電で帰ろうと思ったからである。
 都電に乗る前に、すぐ近くにある花屋に立ち寄った。とある事情が有ってどうしても花を買いたかった。ぐるりと見て回った結果、ミニバラを購入。3鉢で540円也。毎年、花をつけるらしい。
 3鉢が入ったビニール袋をぶら下げながら都電のホームに立つと、「前清算をお願いします」と言った駅員さんが、ミニバラを見ながら、「いくら? いいですね」と、優しく話しかけて来た。それにはびっくり。何故ならば、彼は仕事中だったから。
 徹夜の仕事で睡魔に襲われつつあった私は、駅員さんの声かけを、あらためてとても嬉しく思った。何気なくソフトに話しかけること、それは都会の生活における潤滑油だ。

「タイ語入門 水曜日19:30」

3月9日からスタートした「タイ語入門 水曜日19:30」のクラスは、昨晩の授業で、テキストの半分を消化した。生徒は男性3名。皆、必ず出席してくださる。だから、私はいつもほめる。「ขยันเรียน カヤン リアン 勉強熱心ですね!」
 上手に発音ができるYさんが言った。「通勤時に必ずタイ語を聞いています」 彼のその努力は、日々、結果を出している。
 なかなか発音が覚えられないというSさんは、料理の話になると、俄然、反応がいい。好きな分野をどんどん進んでいけば、そのうち、タイ語に対する勘がよくなると思う。
 3人目の生徒であるKさんは、タイへ弾丸旅行するのが好きな方だ。タイへ行く回数が多いということは、毎回、タイ語の空気を吸っているわけだから、近いうち、きっと上達度が増すであろうと、私は観察している。

もうすぐ中学の同窓会

郷里の友人から葉書が届いた。
 「もうすぐ同窓会ですね。お目にかかれるのを楽しみにしています。前日に帰って来られるの? 時間を持て余すようでしたら連絡下さい。お城でも商店街散策でも、おつき合いします! 気をつけて帰って来てください」
 来月上旬、中学時代の同窓会が有る。前回の同窓会は、5年前。恩師が80歳を迎えられたということで実施された。その時、「5年後の古希に、また、みんな集まろう」と威勢よく言った幹事は、その1年後に急死してしまった。だから、もう集まらないのかと思っていたが、地元に残っている旧友が予定通り、企画してくれた。だから、帰る。
 皆が集まる理由には、それなりの理由が有る。それは恩師が溌剌としていること。甲子園へ野球監督として出た恩師だから、声が大きい。そして、教え子を思う気持ちたるや、日本一。だから、帰ります。

隣りの県のこと

 今朝、NHKのニュースで、今度の参院選から、「合区」という制度が初めて採用されるにあたり、その課題が取り上げられた。鳥取県と島根県、及び、高知県と徳島県が、それぞれ、一つの選挙区になることを「合区」というそうだ。
 高知県の県民に徳島県のことをたずねると、「鳴門の渦」しか知らない、と答えた。反対に徳島県の県民に高知のことをたずねたところ、「香川県へは行くけれど、高知へは行ったことがない。坂本龍馬しか知らない」、と答えた。
 彼らの返答を聞きながら、隣りの県にはほとんど関心が無いことがわかった。そういう私も、隣県の県庁所在地である松山へは行ったことがない。海外旅行は何度もするが、近隣の県へは行かない。なんだか変な話だ。

新しい生徒さん

先週の土曜日、新しい生徒さんが入会された。独学3ヶ月という方であるが、補充クラスの「タイ語入門 土曜日10:30」に入られても、全く問題がなかった。学習意欲が十分に感じられ、教える側としてはとても教えやすかった。
 タイ語は声調言語であるので、最初のうちは先生について学んだほうがいい。自己流の声調になってしまうと軌道修正が効かなくなるからである。初心者は無心になって、ただひたすら勉強するのが一番だ。
 そのほかに、今月は、かつての生徒さん2名から復帰を希望される旨のメールを頂いている。学習する環境が整ったらしい。
 一度、タイ語を勉強すると、途中でやめても、心はいまだタイに残っている。タイは逃げて行かない。いついつまでも、悠々としている。タイは私達日本人を癒してくれる。倦まず弛まず、勉強を続けよう。

ジューン・ブライド

昨日の午後、目白駅前の商業施設で買物をしようと思って2階(ชั้น2)に上がって行くと、式場に入ろうとしている新郎新婦(เจ้าบ่าวเจ้าสาว)に会った。
 「わあ、ジューン・ブライドだあ!」 私は思わず心の中で叫んだ。
 彼らは広々とした喫茶店の一角まで進み、友人達から祝福を受けている。おそらく、二次会の披露宴なのであろう。
 ストレスがたまっている最近の私にとって、純白のドレスを見て、心なごむ思いがした。白いものを見るのはさわやかだ。色がついていないということ、それはすべての始まりである。若いカップルの前途を私も祝福した。

ゆかた と 兵児帯

 昨日、友人に案内されて、谷中の着物リサイクル店へ行った。生徒さんから頂いた着物に合う帯が有ればいいなあと期待していたところ、店主の適格な助言により、白地に弥次郎兵衛の模様が入った帯を購入。白地だから、何色の着物にも使いまわしができる。
 ついでに、ゆかたを買った。蘭の花びらが飛び交っているような模様だ。よくある模様は朝顔だが、蘭とくれば、タイに近い。 次に、ゆかたに合う帯探しが始まった。在庫の帯の中からみつからず、結局、男性用の兵児帯を買うことになった。黒色に近い無地なので、意外と引き締まりを感じさせた。
 店主は言った。「冬はストールとしてもお使いになれますよ」
 それを聞いて、一石二鳥で物を有効利用するということは、物にも出番が有って、なかなかにいいなあと思った。