ケチ vs  節約

昨日のニュースで「大阪の三ケチ」であった最後の一人の吉本晴彦氏の死去が報じられていた。吉本氏は大阪マルビルの創業者である。私はこのマルビルの形がかねてより面白いと思っていたので、大阪で元生徒の結婚式が有った時、このマルビルの中に入っている第一ホテルに泊まったことがある。
 大阪人は「ケチ」、「ドケチ」、「しぶちん」等という単語に非常に親しんでいる。商売をやり、大勢の人を雇用すれば、そうせざるを得ない。決して、悪いイメージの言葉ではない。何故ならば、大阪人はこれらの言葉にユーモラスな感情を補填しているから。
 7月に八戸へ行った時、古い着物や服を裂いて改めて織りなおす「裂き織り」という布が作られる工程を見た。着古した布を新たなる手法で蘇らせるのは「節約精神」からの賜物だと思う。
 ひるがえって、「ケチ」も「節約」も、もとはといえば同じ土壌のような気がしてきた。