きこない咸臨丸まつり

一昨晩、70歳前後の人間4名が食事をした。そのうちの一人は、「木古内から今、帰って来たばかりです」と言って、北海道定番の土産である<白い恋人>を、食事会のホストと私にくださった。木古内に行った理由を尋ねると、「きこない咸臨丸まつりに行ったんです」と答えた。
 太平洋を横断した咸臨丸はその後、北海道開拓団の輸送船に変身させられ、木古内泉沢沖で座礁、沈没した(1871年)ことを初めて知った。その方の友人の曽祖父が咸臨丸の関係者であったが、親友が亡くなったため、親友に代わって毎年、木古内までお参りに行っておられるとのこと。その友情のあつさには驚いた。
 その方は、まだお土産を渡していない4人目の方に向かって、「これ、食べますか? 香川県から参加した人からもらったんです」と言いながら、丸亀産の<しょうゆ豆>を手渡した。「咸臨丸に乗ってサンフランシスコまで行った水夫達の多くは塩飽諸島から行ったんですよ。なかでも丸亀の本島の水夫が優秀であった!」
 傍らでその話を聞いていた私は言った。「あのー、私はその丸亀出身なのですが」
 彼と会うのは2度目であったが、その彼は彼で非常にびっくりしておられた。