高齢者と会社員

 昨日、シルバーパスの交付を受けるため豊島区役所へ行った。大勢の高齢者が来ていたが、よく見ると、皆さん、まだまだそんなに老けているわけでもない。このシルバーパスは都内のバス、都電、そして、都営地下鉄が無料で利用できるから、年間で計算すると、相当にお得である。
 交付を受けたあと、教室へ行くため、池袋駅を目指した。しかし、途中、おいしそうなランチの看板を見たので入ってみた。地下に在る店に入ってびっくり。会社員が大勢、千円前後の定食を食べていた。店の雰囲気からして、夜は居酒屋になるのであろう。
 だが、それにしても店内は活気にあふれていた。従業員の動きもきびきび。若い会社員達がしっかり働いて税金を納めてくれるから、高齢者はシルバーパスの恩恵にあずかれる。
 高齢者は若い人に感謝し、各自の考えで、社会性のあるお返しをしなければならないと思う。

今日の宿題

ボン先生が午前中だけ埼玉県与野で日本語講座(2ヶ月コース)を受講され始めたので、「タイ語中級 水曜日13:00」のクラスに到着するのが10分遅れとなった。そこで、最初の10分間だけ、私がカバーすることにした。
 先週の水曜日は、復習を兼ねて、我々に必要なものをタイ語で書かせた。
 1.水 2.米3.お金4.家5.車
 6.服 7.健康 8.体力9.気力 10.幸福

 必要なものは各人によって異なる。それぞれ、思い思いに書き出してほしい。参考までに以下に列挙するので、タイ語の単語の勉強だと思って、書いてみよう。
11.仕事12.家族13.時間 14.休日15.薬
16.親友17.ペット 18.旅行 19.趣味20.平和

真喜翁

従兄が亡くなったので葬儀に参列するため3日ほど郷里に帰った。従兄の位牌を見て戒名にユーモアが有るなあと思った。戒名は、本人の名前の漢字一字+真喜翁。真に喜ぶ翁とは! 享年92歳。90歳を過ぎているから大往生だ。
 真言宗のご住職は若かった。なかなか洒落た命名である。しかし、天国に旅立った従兄は果たしてその軽妙洒脱な戒名を知っているであろうか? いや、知るはずもない。いずれにせよ、天国でもマイペースで楽しく余生を送ってもらいたいものだ。
 初七日が終わって、従兄の娘が昔の写真を出して来た。そして、尋ねた。「この人は誰?」
 誰もわからない。しばらくして、故人の妹(84歳)が答えた。「長兄が出征する時に記念写真を撮ったものだと思うわ」
 本家の長男は戦死。凛々しい顔立ちの従兄を初めて見た。弟の葬儀の時に彼は約80年ぶりに蘇って来た。あらためて戦争はむごいと思った。

芹沢銈介美術館

8月もそろそろ終わり。今夏の思い出は、静岡市に初めて降り立ち、登呂遺跡の一角にある芹沢銈介美術館へ行ったことである。
 折りしも、『暮らしを彩る -芹沢銈介の生活デザイン-』を開催中であった。実に見ごたえがあり、彼の創作魂に魅せられた。
 彼の作品に初めて接したのは倉敷の大原美術館。それは50年以上も前のこと。そして、東京では駒場の日本民藝館。それ以外にも、日常生活に於いて、ひらがなや漢字をデフォルメしてデザイン化した暖簾、風呂敷、カレンダー、帯、等々を目にしている。
 そして、今回の展示で、彼が有名作家の本の装丁もたくさんしていることを知った。美しい装丁の本を手に取り、緑陰の中、ゆったりとした椅子に座り、コーヒー、もしくは、紅茶をいただきながら、読書を楽しむこと。ああ、これこそ理想だ。
 彼の生い立ちを調べると、呉服店の息子として育っている。なるほど、だから着物や帯には数限りない図案と工匠が組み込まれ、染めや織りによって製品化されている。育った環境は大事だ。
 いずれにせよ、最近のデザインは精彩を放っていない。インパクトに欠ける。芹沢銈介が「オリンピック東京2020」のデザインをすれば、色も構図も、はるかに異彩を放ったことであろう。

スクリーンという単語

お盆明けにバンコクへ行かれたH氏が先週の授業に出られた時、ゴルフを楽しんで来られた話で盛り上がった。彼曰く、「どんなに頑張って交渉しても、超一流のゴルフ場はプレーをさせてくれませんでした。紹介者がいなければダメですね」
 それを聞いた指輪先生が、「スクリーンしてますからね」と合いの手を入れられた。
 指輪先生が自然なかたちで英語をはさんで来るのを見て、私は面白く思った。
 英語の<screen>を調べると、意外や意外、10個くらいの意味が有った。映画のスクリーンは入門者段階の単語だ。動詞の中に、「人、物、考えなどを)ふるいにかけて、選別する」というのが有り、指輪先生はこの意味で使ったわけである。タイ語では<คัดเลือก>。
 いずれにせよ、タイ人の会話の中に入って行って、彼らがどのくらい英語をはさんで喋るかを観察するのも面白そうだ。
 
 注:9月1日と2日は都合でブログを休みます。

アジアアフリカ語学院の格安講座

今日から丁度1ヶ月先の9月29日(日曜日の午前中)、アジアアフリカ語学院による恒例の格安講座(ワンコイン)が開講される。対象言語はタイ語、ベトナム語、インドネシア語、ヒンディー語、そして、ロシア語の5ヶ国語。
 開催場所は、三鷹駅南口から徒歩で1分のところにある三鷹大学ネットワーク。
 基礎的な内容を習い、それぞれの言語の特徴を知るだけでも有意義だ。講師の生まの声を聞くのも大切。
 語学の勉強は単語を覚えるだけでは面白くない。覚え方を工夫すること、それが肝心。
 タイ語を習っておられる方は、他の言語を受講されてみてはいかが? 秋を前にして、語学脳を活性化させよう!

警戒レベル

九州北部に大雨特別警報が出ている。かつてないほどの大雨。最大限の警戒が呼びかけられている。「氾濫」という漢字をテレビ画面で見て、普段は書くことがない漢字だなあと思った。
 昨日、郵便ポストの中に豊島区総務部防災危機管理課作成の「警戒レベル」に関するチラシが入っていた。タイ人のために、次なる警戒レベルを翻訳してみよう。
 警戒レベル1 = 災害への心構えを高めましょう。
 警戒レベル2 = 避難に備え、自らの避難行動を確認しましょう。
 警戒レベル3 = 避難に時間を要する人(ご高齢の方、障害のある
方、乳幼児等)とその支援者は避難しましょう。
その他の人は、避難の準備を整えましょう。
 警戒レベル4 = 速やかに避難先へ避難しましょう。公的な避難場所
までの移動が危険と思われる場合は、近くの安全な
場所や自宅内のより安全な場所に避難しましょう。
 警戒レベル5 = 既に災害が発生している状況です。命を守るための
最善の行動をとりましょう。

フリーランスの仕事

毎朝、私はテレビ東京の「モーニング・サテライト(5:45スタート)」を見て、経済の耳学問をしている。この番組には、経済に関する質問<モーサテQ>が2回提供されるので、私も頑張って自分なりに回答している。
 今日の質問は、「現在、日本にはフリーランスの仕事をしている人が全体の職業のうち何%いますか?」というものであった。四択なので、私は10%だろうと思ったが、正しくは5%であった。すなわち、20人に一人という計算になる。
 しかしながら、終身雇用が終わっている現在、フリーランスの仕事を希望する人はこれから先、どんどん増えていくと思う。
 フリーランスの仕事は楽しい。自分のやりたい仕事をやればいいからである。瞬発的に仕事をして、キャリアを積んで行く。だらだらした時間は許されない。とはいえ、決して安定した仕事ではない。いつ干されるかはわからない。生涯獲得賃金も、決して多くはない。病気になったらもうおしまい……。
 だが、こう考えてみてはいかが? どうせ死ぬんだ。自分が納得した働き方をすればいい。

雪男という日本酒

先日、鬼子母神の近くにある店へ食事に行った。カウンターには男性が一人、美味しい肴と一緒に日本酒を楽しんでおられた。彼は店の人とも楽しく語らっていた。店の人が調理場へ行った隙をねらって、私は彼に尋ねた。
 「失礼ですが、今、呑んでおられる珍しいお酒の名前は?」
 「雪男です。悪い言い方をすると、水みたいな酒ですがね……。雪女のほうがよかったかも、名前は」
 彼はカウンターの上部に置いてある一升瓶を指さした。私はその瓶のラベルを見た。新潟県南魚沼市塩沢の青木酒造と書いてあった。さらに目に入って来たのは、『北越雪譜』を表した鈴木牧之の名前であった。あとで調べると、鈴木牧之は現蔵元の先祖に当たる人物であることがわかった。
 私は昨年5月に新潟在住の親友と塩沢へ旅行し、彼女から鈴木牧之の偉大さを教わった。そして、彼が、『北越雪譜』の中に、毛むくじゃらの異獣、すなわち、<雪男>を登場させていることを知った。
 旅はその場限りで終わってはつまらない。こうして、1年余を経て、東京の片隅で、新潟県が誇りとする鈴木牧之の<雪男>に出逢えて、旅先での感銘が甦ってきた。

雪男

先日、鬼子母神の近くにある店へ食事に行った。カウンターには男性が一人、美味しい肴と一緒に日本酒を楽しんでおられた。彼は店の人とも楽しく語らっていた。店の人が調理場へ行った隙をねらって、私は彼に尋ねた。
 「失礼ですが、今、呑んでおられる珍しいお酒の名前は?」
 「雪男です。悪い言い方をすると、水みたいな酒ですがね……。雪女のほうがよかったかも、名前は」
 彼はカウンターの上部に置いてある一升瓶を指さした。私はその瓶のラベルを見た。新潟県南魚沼市塩沢の青木酒造と書いてあった。さらに目に入って来たのは、『北越雪譜』を表した鈴木牧之の名前であった。あとで調べると、鈴木牧之は現蔵元の先祖に当たる人物であることがわかった。
 私は昨年5月に新潟在住の親友と塩沢へ旅行し、彼女から鈴木牧之の偉大さを教わった。そして、彼が、『北越雪譜』の中に、毛むくじゃらの異獣、すなわち、<雪男>を登場させていることを知った。
 旅はその場限りで終わってはつまらない。こうして、1年余を経て、東京の片隅で、新潟県が誇りとする鈴木牧之の<雪男>に出逢えて、旅先での感銘が甦ってきた。