神父様 と スナック経営

 『対話の達人』(遠藤周作 女子パウロ会 2006年)の中に所収されている各界の著名人との対談はいずれも面白い。この中で、ジョルジュ・ネランという神父様の来歴に興味を覚えた。履歴を本から引用すると、以下の通りである。
 1920年、フランスに生まれ、陸軍中尉を経て、50年、司祭となる。52年、宣教師として来日。最初は長崎で宣教活動。外国人が珍しい時代だから、土地の皆さんから大事にされたそうだ。特に、五島列島では賓客扱いを受けたとか。その後、東京に来て、東京大学、慶応大学、立教大学でフランス文学を教え、1980年、大学を定年退職した後は、歌舞伎町でスナックを開き、サラリーマンのための「本音で話す場」を提供した。このスナックは2011年、彼が亡くなるまで続いたようだから、90歳過ぎまでやったことになる。
 私が興味を覚えたことは、この神父様はいつも「人が人と対話すること」を考えていたことである。もちろん、数人の人達が会話の花を咲かせることも。いつも言葉を重点に置いていたことに対して、私も、少しでも、あやかり続けたい。

マンション住民の誕生会

 黄金週間中に、日頃から付き合いのあるマンション住民5名で誕生会が行われた。理由は、5名中の3名が5月生まれであったからだ。
 Mさんがいつも場所を提供してくださる。そして、メインの料理も作ってくださるので、残る4名は自分達が食べたいものや飲みたいものを持参していくことになっている。私はフルーツの担当である。
 ところで、Mさんがこう切り出した。「箸の発音をしてみてください。皆さんのために買って来た箸をご用意していますので、発音が正しければ、渡します」
 私はピンと来た。兵庫県出身のYさんと香川県出身の私は、アクセントが関西風だから、Mさんは我々のアクセントをチェックするんだということを。そういうMさんは福島県だ。残るSさんは青森県、そして、Yさんの奥さんであるH子さんが東京出身。
 私は東京のアクセントにあわせて、「箸」を発音するようにしているが、本当は、「端」と同じ発音をするほうがラクだ。
 いずれにせよ、マンションって、日本全国からやって来た人々の寄り合い所帯であることを再確認した。

橋(はし)と ○橋(○ばし)

 ホームステイをしているタイのギフトさんが、一時、タイへ帰国していたが、昨日、一人で元気に帰京した。明日からの日本語学校の授業にそなえて、しっかり予習をしてきたそうだ。そこで早速、私に質問。
 「先生、สะพาน(サパーン)ですが、なぜ、<ばし>と読むのですか?」
 「ああ、いい質問ですね。橋という漢字一字ですと、<はし>と読みますが、何か他の単語と合成されると、<ばし>になることが多いです。例外は有りますが、まずはそのように覚えておいてください」
 そこで、「橋」のつく地名を列挙した。日本橋、新橋、竹橋、一ツ橋。しかし、一の橋や三の橋、などは、濁音化しない。苗字の場合は、高橋、橋本、組橋は濁らないが、馬橋は濁る。目下、NHKの朝のテレビ小説の主人公の苗字の読み方は、小橋(こばし)ではなくて、(こはし)だ。
 今年、高田、鎌田という学生がいるが、出席を取るたびに、読み方を間違わないように意識すると、結構、緊張する。

今日から授業再開します!

 黄金週間もそろそろ終わりです。泰日文化倶楽部は今日から授業を再開いたします。
 タイ旅行を満喫された生徒さんは、その乗りで勉強に拍車をかけてください。
 日本でいろいろな「和」を楽しまれた生徒さんは、再び、アジアへの熱を燃やしてください。
 いろいろな文化や歴史を学ぶのは楽しいものです。タイの伝統文化、料理等は、タイ語で勉強しましょう。
 そのほうがはるかにタイに近づくことができます。タイとの心の距離をタイ語で縮めようではありませんか!

会話と動作

 『老いてこそ遊べ』(遠藤周作著 河出書房新社 2013年)を読んで、面白いことがいっぱい書いてあったので、連休中、一人、ゲラゲラ笑ってしまった。しかし、参考になることも書いてあった。
 それは、友人で作家の阿川弘之氏と一緒にイギリスへ行った時の話である。阿川氏は英語が得意。しかし、イギリス女性と話している時の動作はあまりスマートではなく、「平生やりつけていない男が肩をすぼめ両手をひろげ、ヤング レディと話しかけ、ニタッと愛想笑いをするのを見ると、友人としてさむ気がしたのも事実だ。彼は英語はうまいが、それに伴う動作がうまくなかった。英語は会話と同時に動作の習得も必要なのだとその時しみじみと感じたのだった」
 タイ語にも同じことが言える。まずは、合掌の仕方から学び、タイ人と話す時、気分を乗らせていくにはどうすればいいかを考えよう。日本人の動作はいつも硬いから。

小学校校長からのお願い

 今日は「こどもの日」。快晴でよかった。ただし、30度近くになりそうなのが心配。
 先週、郵便受けの中に、近所の小学校の校長が書いたお願い文が入っていた。内容は、「これから運動会シーズンをむかえるに際して、子ども達が練習をするので、その時に出る掛け声や歓声、その他もろもろの騒音でご迷惑をおかけしますが、なにとぞご理解ください」というものであった。
 それを読んで、最近、幼稚園創設を反対する住民のことを思い出した。子ども達の声がうるさいからという理由だ。
 思うに、大人はもっと寛容でないと。確かに病人がいればつらいかもしれない。しかし、子どもが大勢いると嬉しいではないか。
 小学校の校長がそんなお願い文など、周辺各戸に配布する必要はさらさら無い。文句を言って来る住民に毅然として立ち向かう自信を持っておくことのほうが大切だ。。

中野の老舗洋品店 と 中国人

 昨日、中野方面に仕事に行ったので、帰りに中野のブロードウェーの商店街に寄ってみた。私の好きな店は中年女性向きの洋服をたくさん揃えている洋品店だ。
 「私、昭和40年からこのお店に来ているのですが、創業はいつですか?」と、尋ねてみた。
 「昭和28年です。このあたり、お店がずいぶん変わりましたけど……。うちの店の商品はすべて日本製です。ですから、中国人がたくさん買いに来てくれます。何も知らないで買ってかえった服が中国製であることに失望したお客様が大勢、おられるようです。それからというもの、うちの店をみつけ、日本製であることを喜んでくださいます」
 そこの店は良質の品物を用意している。だが、私の感想では、以前と色目が変わって来ているような気がする。明らかに中国人を対象にしているような感じだ。だが、いずれにせよ、日本のいいものを求める中国人は、これからもますます増えていくことであろう。

レスターのプレミア優勝 と お狐様

 岡崎選手のレスターがプレミア優勝を果たした。オーナーがタイのKING Powerだから、親しみを覚えてずっと応援していたが、それが実現して、とても嬉しい。
 レスターのロゴのシンボルが「狐」なので、King Powerの会長は来日のたびに、赤坂の豊川稲荷にお参りしていたと聞いている。そして、レスターが勝つと、知人の日本人に命じて、御礼の奉納を欠かさなかったそうだ。
 それを聞いて、私も実家から持って来ている神棚用の狐の置物に願掛けをした。タイと日本とイギリスの3地点で、お狐様のミラクル・パワーが飛び交った。
 今月中旬で行われるタイフェスティバルで、レスターのユニフォームが販売されると聞いている。KING Powerの文字が躍るユニフォーム。まさしくタイのKINGのPowerを感じる。是非とも購入したい。

熊本へ帰った生徒さん

 一昨日、「タイ語初級 土曜日11:00」のクラスのTさんからラインが入って来た。彼女は今年3月に退職されたご主人と伴に、ご主人の郷里である熊本へ帰られた方だが、東京にも家が有るため、上京された時にはタイ語の勉強に来られるということなので、退会扱いにはなっていない。
 「熊本についたその日の夜中に震度6強の本震に見舞われ、避難所暮らしも経験しました。経験値がアップですね(笑)。現在では家に戻り、楽しみを見つけながら、片付けと義父母の相手をする毎日です」
 Tさんは獣医師である。去年、私に鈴虫をくださった。ラインの写真は柴犬と一緒に散歩しているところと、そして、一匹の虫の写真が送られて来た。柴犬は地震になんか負けないぞという自信たっぷりの顔をしている。そして、虫は虫で、大地にへばりついて、生きているぞという主張をしていた。

女流画家の主張

 私は長寿の女性に関心が有る。彼女達の来し方、そして、生き方を知りたい。そして、参考にしたい。
 昨日、近所の古本屋で、『私流に現在を生きる』(堀文子著・中央公論新社 2015年)を購入。一気に読んだ。
 堀さんは1918年(大正7年)生まれ。現在、97歳。あと2ヶ月すれば、98歳におなりになる現役の画家である。
 「絵というものは、教えることができない唯一のものです。味覚と同様、フォルムや色の感覚は習うものではないのです。生まれたときにその人がもっているものに他なりません。その感覚だけを頼りに自分で創造し、世界を作っていくのだと思います。その人の運命を開拓することは、その人自身がするべきことなのですから、誰かに教えを請うてはいけないのです」
 長い引用となったが、これは語学にも通じるのではないだろうか。語学センスの良さは個人の問題である。