神父様 と スナック経営

『対話の達人』(遠藤周作 女子パウロ会 2006年)の中に所収されている各界の著名人との対談はいずれも面白い。この中で、ジョルジュ・ネランという神父様の来歴に興味を覚えた。履歴を本から引用すると、以下の通りである。
 1920年、フランスに生まれ、陸軍中尉を経て、50年、司祭となる。52年、宣教師として来日。最初は長崎で宣教活動。外国人が珍しい時代だから、土地の皆さんから大事にされたそうだ。特に、五島列島では賓客扱いを受けたとか。その後、東京に来て、東京大学、慶応大学、立教大学でフランス文学を教え、1980年、大学を定年退職した後は、歌舞伎町でスナックを開き、サラリーマンのための「本音で話す場」を提供した。このスナックは2011年、彼が亡くなるまで続いたようだから、90歳過ぎまでやったことになる。
 私が興味を覚えたことは、この神父様はいつも「人が人と対話すること」を考えていたことである。もちろん、数人の人達が会話の花を咲かせることも。いつも言葉を重点に置いていたことに対して、私も、少しでも、あやかり続けたい。