山手線 と タイ人観光客

ソンクラーンは終わったものの、まだまだ東京にはタイ人の観光客がいっぱい。昨日も新宿からタイ人御一行様と同じ車両に乗り合わせた。ガイドが、「日暮里で降りてください。ลง Nippori」と言うのが聞こえた。
 周囲をよく見ると、中年以上のタイ女性が10名くらい私を取り囲んでいた。そのうちの3名は、私と同じくらい太っていて、初老だ。座ってスマホで遊んでいる若い女性達に向かって、よほど言いたかった。
「この外国のおばあさん達に席をゆずってあげてください」と。
 だが、私の前には別の日本人が立っており、それがかなわないまま、私は高田馬場で降りた。夕方6時のラッシュアワーに乗るタイ人達。もっと時間をずらして乗ればよかったのに。ぎゅうぎゅうの山手線を体験するのも観光のひとつかな。

熊本出身の生徒さん

昨日、「タイ語中級 月曜日18:00」のクラスに、いつも通り、H氏が出席された。彼は熊本出身の方だ。すでにSNSで地震のお見舞いを申し上げてはいたものの、やはり直接お会いして、気持ちを伝えたかった。
 彼は「いやあ、何でもないですよ」と開口一番。そして、九州の地図を広げてみせてくださった。彼の郷里は植木市。そのような名前の市が有ったことを初めて知った。
 「植木市は活断層から離れているんですよ」と彼は指差しながら解説された。
 なるほど、よくわかった。ご親戚とも普通に電話で話しておられるとのこと。
 熊本の地理をほとんど知らなかった私は、同じ熊本県でも、今度の地震で明暗を分けていることを知った。

熊本県宇土市

今、私の手元に一枚の葉書が有る。差出人は熊本県宇土市在住の友人Sさんからのものだ。消印は平成28年3月16日。東京の生活に終止符を打ち、昨年、郷里に帰ったことが書かれてある。
 「のろまな亀が欲にかられて自然に逆らってしまい。心とカラダを実家で治療しておりましたので、お返事が今になりました。もう一度、九州で頑張り直します。2016年 再勇気の旅!」
 彼女は郷里の自然にいだかれようとして、宇土市に帰って行った。だが、自然はあまりにも無情であった。
 宇土は、<うど>ではなくて、<うと>と読むそうだ。ネットで調べると、遠い昔、一説には、<浮土>と表記していたとのことで、いかにも海が近いのがわかる。「宇」という漢字は、①家、②空間、③宇宙、の意味を持つそうで、日本の地名にはあちらこちらで使われているが、西日本に特に多いような気がする。岡山県の宇野、広島県の宇品、山口県の宇部、香川県の宇多津、愛媛県の宇和島、そして、大分県の宇佐、等々。

タイ人 と レンタカー

タイ人夫妻が新宿駅南口近くのトヨタレンタカー会社へ行きたいというので案内した。彼らはバンコクにいる時にすでに予約しておいていたから、事務処理はいたって簡単であった。
 カウンターは2つあったが、隣りからタイ語が聞こえて来た。若者3名だ。
 「日本は初めてです。これから河口湖へ行きます」と、リーダーが話した。彼らの目的が富士山を見に行くことは聞かないでも想定できたが、一応、尋ねてみたという次第。
 ツアーよりも自由行動を好むタイ人達。そのようなスタイルのタイ人がこれからますます増えるにちがいない。
 いずれにせよ、彼らは興奮気味であった。「富士山のほうは地震、大丈夫?」と聞かれたから、「大丈夫」とすかさず答えた。「危ないかも」とは、とても言えなかった。
 私が案内したタイ人夫妻も、英語のナビとETCカードを車に装備して、軽やかに出発して行った。

タイ人が書いた地震時の行動

熊本には教え子が2名いる。彼らは警察官だから目下、先頭に立って対処に追われているにちがいない。もう少し時間が経過すれば、お見舞いの気持ちを伝えようと思っている。そして、去年から熊本の郷里(宇土市)に帰って行った介護士のSさんのことも心配だ。
 ところで、バンコク在住のタイ人が、我が家にホームステイしている女の子に地震時に取るべき行動についてラインで知らせてきた。
 เวลาแผ่นดินไหว ปิดแก๊ส เปิดประตูหน้าต่างเอาอะไรดามไว้ เผื่อทางหนีทีไล่แล้ว หลบมุดใต้ที่กำบังระวังของตกใส่หัว พอหยุดแล้วค่อยโผล่มาดูเหตุการณ์

タイ女性、銭湯へ

昨晩8時半から10時まで、香港女性に個人レッスンをした。授業後、タイ人講師と香港女性に、「これから銭湯に行くのよ」と言うと、二人は口をそろえて、「とても恥ずかしくて、まだ一度も行ったことがありません。これからも絶対に行きません」と言った。
 私が行った銭湯は高田馬場4丁目にある「福の湯」である。ここ2年ほど行っていなかった。下足入れのところからタイ語が聞こえて来た。まさか、タイ人がいるはずもなかろうに。しかも、7人も! 私はすかさず話しかけた。
 「銭湯に入るって、タイ人にとっては恥ずかしくないの? สำหรับคนไทย อาบน้ำด้วยกัน ไม่อายหรือคะ」
 すると、元気のいいリーダー格の女性が応えた。「先生、恥ずかしくありません。リラックスに来てるのよ。私はすぐ近くに住んでいます。この女性たちにも銭湯を知ってもらいたくて。明日は日光へ行くのよ」
 私のことを先生と呼ぶところを見ると、彼女は私を知っているらしい。残念だった。30分早く銭湯に行っていれば、タイ女性達と「裸のつきあい」ができたのに。

掃除 と 客

 昨日はソンクラーン(สงกรานต์)。タイ人から美しいカードがラインで送られて来た。ジャスミンの花輪や水鉢の中に浮かべられたバラの花びらを見ると、心がおだやかになる。目上の方達に日頃の感謝を込めて、手に水をかける(รดน้ำ)カードも有った。タイはいいなあ。
 ところで、昨日は念入りに掃除をした。ホームステイ中の女の子が私の自室を使用するからである。テレビ台のあたりには埃がいっぱい。アイロン(เตารีด)にも薄く垢がついていた。本箱(ตู้หนังสิอ)の埃もぬぐう。何よりも、掃除機(เครื่องดูดฝุ่น)そのものが汚れているので、雑巾で拭いた。
 客が有ると掃除(ทำความสะอาด)に力が入る。だから、客が有る方がいいのである。

新しい出合い

昨日から上智大学での講義が始まった。初級コースの受講生は36名。そのうちの1名は社会人だ。私とそれほど年齢差が無い男性であるが、彼は幸せだと思う。何故ならば、18歳(1998年生まれ 寅年)から22歳前後(1995年生まれ 亥年)の若者と一緒に勉強して若いエキスをもらうと、きっと若返るに違いないからである。
 今年の受講生の中にミャンマーの女子学生が入っていた。泰日文化倶楽部でかつてミャンマー語講座を開講していた時に、少しだけ覚えた単語を思い出しながら、彼女の名前の前に、「ma」という呼称をきちんとつけて呼んであげた。
 学生達は皆、よく笑ってくれた。予想以上に反応が有る! 彼らは単語をすぐに覚える。癖が無い。実に教えやすい。

今年もツバメが帰って来ました!

東京の桜は葉桜となり、八重桜が咲き始めた。昨日、高田馬場の教室へ行くと、ビルの入口のコンクリート壁にあるツバメの巣に、2羽のツバメが交代で飛び交っているではないか! おや、もう初夏?
 つがいのツバメは、去年、ここで生まれたツバメかもしれない。何故ならば、道路沿いにある電灯の上で周囲を睥睨としている姿たるや、高田馬場を知り尽くしたような顔を見せているからだ。
 もう卵を産んだのであろうか? 抱卵の準備のために、小枝を運んでいるようだ。
 殺伐とした都会にツバメが戻って来てくれて、とにかく嬉しい。或る年、戻って来ない時があった。マンションの住民が心配した。やはり、いつもの動きが毎年繰り返されるほうが安心だ。
 そうだ、そういえば、泰日文化倶楽部の元生徒達は今、いずこへ? また勉強に来てくださると嬉しい。

茶道講師と茶碗

昨日、ホームステイをしているタイの母娘を茶道教室へご案内した。前日、お茶に興味が有るか否かを尋ねたところ、「有ります」という返事だったので、早速、茶道講師にメールを打ち、「タイからのお客様を連れて行きますので、お菓子を2個ばかり、追加してください」とお願いした。
 お点前が始まると、お菓子が供された。びっくりしたのはお菓子がタイのベンチャロン焼きの鉢に盛られて出て来たことだ。亭主である茶道講師の配慮たるやすごい。掛け軸には、「一期一会」が書かれてあった。これまた、実に風流であることか。
 茶道講師はタイへ数回、行っておられ、タイ語に対する反応もすばらしかった。茶道具は数限りなくお持ちのようであるが、迎える客人のお国のものに合わせて茶碗や菓子鉢を出すということは、長年、時間をかけて蒐集なさった賜物にほかならない。