熊本県宇土市

今、私の手元に一枚の葉書が有る。差出人は熊本県宇土市在住の友人Sさんからのものだ。消印は平成28年3月16日。東京の生活に終止符を打ち、昨年、郷里に帰ったことが書かれてある。
 「のろまな亀が欲にかられて自然に逆らってしまい。心とカラダを実家で治療しておりましたので、お返事が今になりました。もう一度、九州で頑張り直します。2016年 再勇気の旅!」
 彼女は郷里の自然にいだかれようとして、宇土市に帰って行った。だが、自然はあまりにも無情であった。
 宇土は、<うど>ではなくて、<うと>と読むそうだ。ネットで調べると、遠い昔、一説には、<浮土>と表記していたとのことで、いかにも海が近いのがわかる。「宇」という漢字は、①家、②空間、③宇宙、の意味を持つそうで、日本の地名にはあちらこちらで使われているが、西日本に特に多いような気がする。岡山県の宇野、広島県の宇品、山口県の宇部、香川県の宇多津、愛媛県の宇和島、そして、大分県の宇佐、等々。