習い事

昨日、泰日文化倶楽部で華道教室が実施された。私は仕事が急に舞い込んで来たため、参加がかなわなかった。「お手本となる生け方を花瓶に生けておいてください」と華道講師に電話で依頼し、午後5時過ぎに教室へ行き、お花を拝見。そして、それらを包んで家に持って帰った。
 目白駅のエレベーターの中で一人の女性と一緒になった。彼女は私が持っている花を見て、花の名前を尋ねた。「赤目柳です」と私は答えた。すると、彼女は言った。「私も昔は生け花を習っていたのですがね….」 
 その後、バスを降りて信号のところで立っていると、また一人の女性が私に話しかけてきた。「何のお花?」
 冷蔵庫の中のような寒さだが、花に関心を持ってくださる方達がぬくもりのある声かけをしてくださるのが嬉しかった。全く上達しなくても、時間とお金と気力を維持して、習い事は続けること。それこそが自分へのご褒美である。

「気候が変わりやすい」というタイ語

このところ、東京の早朝は零下3~4度の日が続いている。したがって、昼間の温度も5度以下。昨夜、「タイ語中級 金曜日19:00」に出講してくださった指輪先生は小平方面に住んでおられるが、目を丸くしながら「零下8度よ」と言った。そして、雪一面の学寮の写真を見せてくださった。昨年9月に来日された彼女には厳しい生活だ。
 昨晩の授業は、冒頭、異常気象に関する話題が出た。「パリのセーヌ河は水があふれ、郊外は洪水らしい」と、私はテレビで見た映像を見ながら喋った。
 すると、指輪先生が、「แปรปรวน プレェー・プルアン 変わりやすい」というタイ語を教えてくださった。主として天気に使うようだ。しかし、人の性格にも使えるとのこと。それを聞いて、「お天気屋さん」という言葉が頭に浮かんだ。発想の仕方はタイ人も日本人もよく似ている!

「雪が積もる」というタイ語

雪が降るたびに、「雪が積もる」という表現はタイ語でどのように言うのであろうかと思う。「雪が降る」なら、「หิมะตก ヒマ トック」で簡単だ。だが、「積もる」という現象を表わす動詞はむずかしい。タイではまず使うことがないからだ。しかしながら、欧米の本を翻訳する場合、当然、雪景色の描写も有るわけだから、タイ語でも表現できないわけではない。『タイ語辞典』(冨田竹二郎編纂)に、わかりやすい例文が載っていた。
 หิมะตกหนาถึง 3เมตร 雪が3メートルの厚さまで降った。
 なるほど、形容詞の「หนา 厚い」を動詞のすぐあとに併記して、「3メートルまで」の副詞句を追加すればよいわけだ。
 グーグル翻訳で「積雪」を調べると、「ปกหิมะ」と書いてあるが、この表現では足りない。「ปกคลุมด้วยหิมะ 雪で覆われている」と書くと、描写がัより具体的になる。

タイの県名をタイ語で書いてみよう

最近、「タイ語中級 水曜日18:30」の授業では、冒頭15分間、タイ語の単語を書かせている。昨晩はタイの小学校2年生後期の教科書に出ている単語で、「ญ ヨー・イング」を使った単語ばかりを出題した。
 1)カーンチャナブリー県 2)問題 3)智恵 4)功徳積みをする 5)重要な 6)栄える 7)鍵、等々
 意外であったのは、生徒の皆さんがタイの県名を正しく書けなかったことだ。タイ全土の県名を書いて覚えるだけでも相当の勉強になる。ほとんどの県名はそれぞれにサンスクリット・パーリ語から由来する意味を持っているので、正しく書けるようになると、タイ語を深く勉強した気分になって、さらなる学習意欲がわいてくること請け合いだ。
 毎日、一つの県名を書いているだけでも、2ヶ月半近くは楽しめますよ。さあ、今日から始めてみませんか?

火山噴火

昨日は一日中、前日に降った東京の雪の話題で持ち切りであった。生徒さんから、「先生のマンションの坂がテレビに出ていますよ」というラインが有ったので、私も早速、テレビをつけて見た。各局が取材に来たようだ。
 ところが、昼前から草津白根山の噴火のニュースが飛び込んで来た。犠牲者が出てしまい、非常にいたましいことになってしまった。私は草津に親戚がいるので、噴火関連のニュースも他人事ではなかった。
 ところで、「火山が噴火する」はタイ語の辞書によると、「ภูเขาไฟปะทุ」と書いてある。しかし、「ปะทุ」という動詞は日常生活に於いて、そんなに頻繁に使われる単語ではなさそうなので、もっと一般的な動詞である「爆発する=ระเบิด」という単語を代用して使えばいいと思う。さて、次に列挙する単語は一体、どういう意味でしょうか?
 1)ลูกระเบิด 2)การระเบิด 3)สงครามระเบิด 4)ระเบิดบก 5)ระเบิดปรมาณู 6)ระเบิดพลาสติก 7)ระเบิดมือ 8)ระเบิดเวลา 9)ระเบิดไอพิษ 10)ระเบิดไฮโดรเจน

ロンドンタクシー

昨日は東京が4年ぶりの大雪になるため、生徒さんの希望を聞き入れて、朝の時点で「タイ語中級 月曜日18:00」のクラスは休講決定。しかし、午後に入っていた仕事はキャンセル不可。そこで雪道が怖いのでタクシーで行くことにした。
 私の住んでいるマンションは東京で一番の急坂に在る。目白通りまで出てタクシーを拾おうと思ったが、運よくタクシーがマンションの前を通ろうとしたので呼び止めた。そのタクシーはロンドンタクシーで、ドアには東京オリンピックのロゴが入っていた。
 「3週間前に購入したばかりです。現在走っているタクシーはもう製造中止ですよ。タイヤも雪道仕様にしていますから、ご安心ください」、と運転手は自信と誇りを持って言った。
 そこで、ロンドンでロンドンタクシーに乗った思い出を私もそれとなく喋った。
 帰りもタクシーを利用したが、普通タイヤであったので、運転手さんが恐々と運転。「坂は無理。絶対にいやです」と拒否。そこで目白通りで降車し、杖と傘を両手に持ち恐る恐る歩いた。案の定、坂道は閉鎖されていた。子供達が遊んでいるのがうらやましかった。

タイ語はどこへ消えた?

かつてベストセラーになった『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著 門田美鈴訳 扶桑社 2000年)を再読した。この本の最後のほうには、太字で次なるまとめが書かれている。
 1)変化は起きる(チーズはもっていかれ、消える)。2)変化を予期せよ(チーズが消えることに備えよ)。3)変化を探知せよ(つねにチーズの匂いをかいでいれば、古くなったのに気がつく)。4)変化にすばやく適応せよ(古いチーズを早くあきらめれば、それだけ新しいチーズを楽しむことができる)。5)変わろう(チーズと一緒に前進しよう)。6)変化を楽しもう!(冒険を十分に味わい、新しいチーズの味を楽しもう!7)進んですばやく変わり、再びそれを楽しもう(チーズはつねにもっていかれる)
 この本の表紙裏に、「チーズとは、私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定….等々の象徴」と解説されている。決して大袈裟な意味ではなくて、「チーズ」を「タイ語」に置き換えて、タイ語の勉強の仕方を工夫し、マンネリになっている状態を打破し、好転させるのも一興である。

舞台衣装のデザイナー

2007年1月から開始した「アジア女性のための華道教室」は、10年を区切りとして、昨年1月をもって終了した。しかし、華道講師のご希望を聞き入れて、講師の自主クラスに切り替え、現在も存続している。
 この教室に最初から参加している生徒にS君がいる。彼は横須賀で教えておられる華道講師の元々の生徒であるが、仕事の関係で東京に住んでおり、横須賀教室には通いにくくなったということで、いつも高田馬場の泰日文化倶楽部に来て稽古をつけてもらっている。
 S君の仕事は舞台衣装のデザイナーである。ジャニーズや氷川きよしの衣装を手がけている。したがって、紅白歌合戦の時には、華道講師も私も歌半分で、むしろ衣装のデザインに注意がいってしまう。
 S君はいつも言っている。「中学生から習い始めた華道のセンスがデザインや色彩の取り合わせに非常に役に立っています」、と。彼はそろそろ40歳。彼のすばらしさは華道の勉強をやめなかったこと。そして、磨いたセンスを自分のデザインに活かしていることだ。

娯楽小説

先日、芥川賞の発表が有り、「老い」をテーマにした主婦(63歳)が受賞者の一人として見事、栄冠を射止めた様子がテレビニュースで流れた。岩手の方言を使った小説だそうだから、東北の言葉に弱い者には読みにくいかも……?
 文学賞を狙って小説を書き、応募する素人さんは非常に多いらしい。某出版社の某新人賞の条件を調べてみると、「エンターテインメント小説 ジャンル不問、日本語、自作、未発表、200~500ページ 40字×30行、A4、縦書き、締切3月31日」と書いてあった。肝腎の賞金は200万円+記念品。なら、狙う人達がわんさかいるであろう。
 だが、この「エンターテインメント小説」とはどのようなものであるか? 調べてみると、「エンタテイメント」とも、「エンタメ」とも書いてあった。要は「娯楽小説」であり、「大衆小説」ともいうらしい。アクション、コメディー、官能、サスペンス、感動的な話、等々、なんでもござれだ。驚き、お笑い、泣ける、恐怖、等の要素が入っていればいい。だが、そうそう書けるはずもない。作家を目指して頑張っている方達に脱帽。

ボイストラ(VoiceTra)

「タイ語中級 月曜日18:00」のクラスで、生徒達に「ガムをかむ」というタイ語を言わせようとすると、一人の生徒がスマホに向かって「ガムをかむ」と言った。すると、女性の声で、「เคี้ยวหมากฝรั่ง khiaw maak-farang」というタイ語が聞こえてきた。しかし、[farang]の声調が変であった。
 「タイ語初級 水曜日19:30」のクラスでも同じことをやってみて、タイ語の声調が変であることを指摘すると、「それは人工音声であるからです」と生徒さんから教えてもらった。
 このアプリは東京オリンピックのために国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した「ボイストラ VoiceTra」というアプリだそうだ。「結婚する」という単語を音声入力したが、やはりタイ語の声調は変であった。
 すべてを否定するつもりはないが、タイ語に限って言えば、声調に問題がある。したがって、そのようなアプリに頼るのは臨時の場合にだけにして、やはりこつこつと真面目に勉強し、正しい発音を磨くこと、それがタイ語への王道だ。