藍の効用

呉服屋さんから届いた今月の通信は「日本の藍」がテーマであった。今年のNHK大河ドラマは渋沢栄一の生涯に関してだが、彼の生家は藍建ての豪農。したがって、登場人物の多くにも藍色の着物を着させている。

上記の通信に書かれた藍の効用を列挙すると、1)殺菌・防虫作用、2)切り傷には漢方効果、3)夏涼しく、冬暖かい、4)藍染めの衣類は丈夫で水に強い、5)食あたりや熱さましにも薬用効果、等が有る。

これらの効用を考えると、コロナにも効くことを願う。化学染料の藍ではなくて、本物の藍を日々、愛用し、自ら防衛したい。いずれにせよ、昔の人の知恵は継承して行きたいものだ。

กินน้ำใต้ศอก

今年2月から入会された生徒さんはタイの格言をたくさんご存知である。先日の授業中、「กินน้ำใต้อศอก」と呟かれた。するとそれを聞いたタイ人講師がびっくり。しかし、すぐに小さな声で言った。「今はあまり使われていない」

「กินน้ำใต้ศอก」は、直訳すると「肘の下の水を飲む」。これを意訳すると、「おこぼれを頂戴する」とか、「妾になる」という意味になるそうだ。

時代は大きく変わった。タイの金持ちもお妾さんを持つ余裕は無い。というか、本妻は携帯で位置情報をチェックすることができるから、旦那さんの行動はすぐにばれてしまう。

今日の作文

1.義父は食品会社の社長ですが、6月末で引退します。

2.義母は染色家です。大勢の弟子を持っています。

3.義兄は技師です。小さい頃から頭脳明晰です。

4.義姉は薬剤師です。本当は医者になりたかったそうです。

5.義弟は画家です。絵が売れなくても気にしていません。

6.義妹は舞踊家です。スタイルが抜群にすばらしいです。

会話と対話

『なつかしい時間』(長田弘 岩波新書 2013年)の中に、「会話と対話」という章がある。その中で、「会話と対話はおなじように見える言葉だが、一見おなじように見えて、意味の方向はむしろ逆を向いている」と書いている。非常に示唆に富んだ指摘である。

コロナ禍に於いて、我々は会話すらしない。沈黙を強いられている状況に追いやられている。昨日、小学3年生がYouTubeに夢中になっているのを見て、複雑な気持ちになった。映像の中の人とだけつながっている。

長田氏は、「英会話とは言うが、英対話とは言わない」と書いている。タイ語の場合、「タイ会話」と言う言葉すら聞いたことがない。ましてや「タイ対話」をや。願わくば、タイ語で会話ができるだけに甘んじることなく、タイ語でタイ人と対話ができる日を目指そう!

福岡便り

福岡在住の元生徒さんから豪快な釣り姿とおいしそうな烏賊料理の写真が送られて来た。

「昨夜は玄界灘にイカ釣りに行って来ました。今日の昼はイカ丼。今は胃袋と刺身と沖漬けを造りました。先生にも食べてもらいたいです。ワクチン接種が済みましたら博多に来てください」

見るからに新鮮な刺身だ。せめて写真だけでも、御馳走になった気分を味わおう。福岡へ行ける日はまだまだ遠いから。

今日の翻訳

今日の出題は、『ยิ้มครูบบ้านนอก 田舎教師の微笑み』(著者は2名=มานพ แก้วสนิท & อาทิตย์ แมกเมฆ / สำนักพิมพ์หนอน 1979)の冒頭部分からである。訳しやすいように、一つの段落を小分けしてある。

1. อันที่จริงผมตั้งใจไว้นมนานกาเลแล้วละครับว่า โอกาสดีๆ จะนำเรื่องราวเกี่ยวกับชีวิตการเป็นครู มาเล่าให้คุณๆฟังบ้าง

2. แต่ก็ให้รู้สึกเหนียมๆอยู่ ด้วยกริ่งเกรงไปว่า เรื่องที่จะมาเล่าฟัง ซึ่งหวังจะให้เป็นที่สนุกสนานครื้นเครง หรือแสดงภูมิรู้ของความเป็นครูนั้นจะกลายเป็นการขายขี้เท่อให้คุณๆฟังเสียมากกว่า

3. หลังจากที่คิดแล้วคิดเล่า ผมก็ตัดสินใจปรากฏตัวออกมานี่แหละ

4. อย่างหนึ่งก็เห็นจะเป็นแรงยุยงส่งเสริมของเพื่อนครูที่โรงเรียนละเสียมาก

パイナップルの目

 先日、「南国風酢豚」というものを食べた。料理が運ばれて来るまで興味深々で待っていると、一般の酢豚に入っている小片のパイナップルよりも、果肉たっぷりのパイナップルが入っていた。
 パイナップルというタイ語を辞書で確認すると、「สับปะรด」であった。 何故そんなことをしたかと言うと、タイ人でもいろいろな書き方をするからである。よく間違う表記は「สัปปะรด」。こちらのほうが何だかもっともらしい気がしないでもない。
 ところで、「パイナップルの目」という表現がタイ語にはあるそうだ。「パイナップルをよく見ると、目が多い。従って、自分に代わって状況を見守ってくれる人が非常に多くいることを指す」(『タイ日辞典』 冨田竹二郎編纂より)。
 いまどきは他者への非干渉が良しとされる風潮だ。果たして、「パイナップルの目」は好まれるや否や?

西武新宿線沿線の生徒さん

泰日文化倶楽部は高田馬場駅から1~2分のところに在るので非常に通いやすい。山手線、東西線、西武新宿線を利用している方には実に便利だ。
 今月、新しい生徒さんが一人、入会された。西武新宿線の沿線に住んでおられると知り、「あら、また西武線の方だわ!」と私は嬉しく思った。
 会社員であれば定期が有るから交通費の負担もゼロ。授業後、20分くらいで帰宅できるのでラク。
 今はオンライン授業が主流だが、新しい生徒さんは対面授業が好きだと明言された。彼女は5月に一度、授業見学に見えた。「新規のタイ語入門クラスが開講されるまでお待ちください」と私は言った。
 だが、一向に開講されないものだから彼女は個人レッスンを選ばれた。
 彼女は言った。「勉強したい気持ちが消えないうちに教わりたいと思います」
 彼女はタイ文字を独学し始めていた。だから少しは読める。声調も大丈夫。音感がいい。

今日の作文

日本人は「今日は何の日」というのが好きである。6月3日から10日までの「今日は何の日」をタイ語と英語で書いてみよう。

6月3日 = 測量の日
4日 = 虫の日、虫歯の日、蒸し料理の日
5日 = 世界環境の日、落語の日、ロゴマークの日
6日 = 楽器の日、いけばなの日
7日 = むち打ち治療の日、緑内障を考える日
8日 = 世界海洋デー
9日 = ロックの日
 10日 = 時の記念日、ミルクキャラメルの日

あも歌留多

昨日、高級なお菓子を頂戴した。叶匠壽庵(大津市)の「あも歌留多」という銘菓である。一般の歌留多よりもやや小ぶりの大きさの最中(もなか)が入っており、その一枚一枚の表面に百人一首が書かれている。説明書きによると、「滋賀・近江神宮に眠る百人一首を色鮮やかに再現しました」、とのこと。
 百人一首といえば正月の遊びの定番だと思っていたが、<夏の涼>として重宝がられているこの種の菓子をいただき、しかも和歌を通して日本の伝統にひたることができたことは至福の歓びであった。
 私は送り主にラインで次なる御礼を送信した。本来であれば、和紙に筆でしたためるべきであろうが……。
 「21世紀に入って以降、これほどまでに極上の旨さを秘匿した雅なる和菓子を口にしたことはありません。感激至極」