漢字のテスト

 昨年5月からタイ語を教えに来てくれているT君は、毎日、真面目に日本語学校に通っている。その学校ではよくテストがあるようだが、「どうだった?」と尋ねると、「大丈夫です」と彼は答える。だから、私は安心して、彼に手伝ってもらっているという訳だ。
 一昨日、漢字のテストが有ったが、その結果は、漢字の読み方がひとつだけ間違ったとのこと。大変に悔しがっていた。
 「自然(しぜん)、偶然(ぐうぜん)、全然(ぜんぜん)、当然(とうぜん)は読めたのですが、天然をてんぜんと読んでしまい、だめでした。てんねんと書かなくてはならなかったのに」
 なるほど、出題者はそのような間違いをしてくれることを期待して問題の作成にあたったことであろう。
 自然は、仏教的には<じねん>とも読む。とろろ芋は自然薯(じねんじょ)ともいう。日本人でさえも難しい。ましてや外国人には。

日本人講師から学ぶこと

 一昨日、H先生に特別講義をお願いした。H先生はタイ生まれのタイ育ちだから、発音はタイ人と100%同じ。しかし、れっきとした日本人だ。
 そのH先生に上智大学でタイ語を教えたのが私。何とも変な話だが、彼は謙虚に言った。
 「僕はタイ語をタイ語として習ったことがありませんから」
 我々が文法を考えずに日本語を自然に話すのと同じだ。
 外国語と言えば、ネイティブ講師が尊ばれるが、日本語講師の存在価値をあなどってはいけない。日本人としての思いや気持ち、そして、タイ人との考え方の相違を彼が細やかに列挙してくれたので、タイ語がとても面白く感じられた。タイ人講師には日本人の疑問点はなかなかわからない。日本人講師はそこがよくわかっている。

個人レッスン

 昨日は雪情報のため、個人レッスンのT子さんが授業に来られるか否か、心配であった。おそらく欠席の電話が入ってくるであろうと思っていたが、電話はなかった。そして、時間通りに元気な姿で現れた。
 第7回目の授業。これが最終回。来月にはバンコクへ御家族みんなで転勤だ。これから5年間の駐在生活。大いに楽しんでもらいたい。
 現在、もう一人、個人レッスンを受けている方がおられるが、その方は目下、バンコクへ出張中。どことなくさびしい…….。
 すると、午後になってからセミ・プライベートを受講したいというメールが入ってきた。とても不思議だ。一人去ると、すぐ誰かが入って来る。こうして泰日文化倶楽部は続いている。

聞き間違えやすい単語や表現

 入門クラスのテキストの後半に<砂糖 ナムターン nam-taan>という単語が出てくる。しかし、日本人には、末子音の[n]の発音が難しいので、<涙 ナムター nam-taa>になってしまうケースが多い。
 いくら発音しても<涙>という発音になってしまう生徒はこう言った。
 「ナムターなら、タイの歌の歌詞でいつも聞いているものですから」
 なるほど、彼はタイの歌からタイ語に親しんでいるというわけだ。
 昨日、「タイ語中級 水曜日15:00」を代講した。私と同年齢の男性が、家では奥様に代わって料理を作っておられるとおっしゃった。すかさず私は尋ねた。
 「ทำอาหาร ๓ มื้อหรือคะ 3食、料理を作っておられるのですか?」
 すると、彼は答えた。「ทำอาหารเสมอครับ いつも作っております」
 私は ๓ มื้อ(サームムー 3食)という単語を使い、「朝・昼・晩、作っているのですか?」と尋ねたつもりであったが、彼は、「เสมอ サムァー いつも」と聞こえたようだ。
 いずれにせよ、問答的には成立しているのでまったく問題はないが、なるほど、聞き間違えやすい単語や表現がまだまだあることがわかって、私のほうこそ勉強になった。

上達は発声から

 今日は立春。今朝の東京の温度は1.6度。明日はまた雪らしい。しかし、桜の木には米粒の3分の1くらいの大きさの蕾がついている。都内の有名中学の合格発表が有った。自然も人も春に向かって走り続けている。
 代講していつも思うこと、それは、生徒の口の開け方、動かし方が少ないということだ。タイ人講師に一方的にしゃべらせ、「わかりましたか?」と問われれば、「わかりました」と答えるだけではいけない。もう少し自分の殻を破って、90分の中で半分、すなわち、45分は大いに発声してもらいたい。
 最近、65歳以上の高齢者の中で、5人に1人が認知症だというニュースが流されている。近い将来には4人に1人がなるとか….。
 認知症は個人差があるが、それはさておき、とにかく発音、発声することは、健康にいい。外国語を勉強すると、幅広い情報にも関心が及ぶ。
 現役の生徒さんは、これから先もタイ語の勉強を続けてください! そして、発音、発声を心がけて、脳を活性化させましょう!

転勤の季節

 昨晩、「タイ語初級 月曜日19:30」のクラスを代講したが、その際、2ヶ月ばかり休学していた女性が教室に姿を現した。タイ語を学ぶ意欲が感じられ、とても嬉しかった。
 ところが、別の男性からこう言われた。「4月からは勉強に来られません。離島に転勤が決まりましたから。離島にタイ人がいるといいんですが….」
 級友達は皆びっくり。「いないでしょうね」と、すかさず言った。
 昨日、元生徒からメールを頂いたが、それはタイ駐在が終わって、本帰国した通知であった。タイで見つけた奥様は数ヶ月後には来日されるようだ。日系企業で通訳として働いていた女性なので、日本語は上手だ。だから日本での初めての生活にも全く問題は無いと思われる。
 2月、3月は転勤、転職、引越しのピーク。Y子さんは通勤地獄を避けるためにもうすぐ神楽坂に引っ越されるとのこと。泰日文化倶楽部まで東西線でわずか2駅。通学しやすくなるわけだから、もっとたくさん勉強に来てもらいたい。

病院で見かけた高齢者夫妻

 B先生の3時間に及ぶ手術中、私はB先生のご主人と一緒にテレビのある団欒室で、いろいろな話をした。
 そこへ、とても可愛い感じがする色白のおばあ様がゆっくりとした足取りで車イスをひきながら入って来られた。車イスにはご主人が乗っていた。
 その二人を見て、我々は大いにびっくりした。どう見てもかなりのお年とお見受けしたからだ。
 私はおむむろにおばあ様に尋ねてみた。「あのー、失礼ですが、おいくつでいらっしゃいますか?」
 「私は87歳。主人は92歳。もうすぐ93歳になりますの。家の中で急に歩けなくなったものですから….」
 B先生のご主人におしえてあげると、すかさずこう言った。
 「タイの病院であれば、お年寄りに車イスをひかせていたら、早速にも苦情が出て、看護師が責められます」
 彼は日本が大好きだから、日本で出来得る限り長く住みたいとのこと。これからもいろいろな光景を目にすることであろう。

タイが大好きな看護師さん

 泰日文化倶楽部で、7年前位まで看護師さん(K子さん)がタイ語を勉強しておられた。彼女は勤務先の文京区から自転車で通って来られていたが、横須賀の実家に引越しすることになったため、やむなくおやめになった。
 しかし、1年に1回くらいメールをいただくので、K子さんとはいまだにつながっている。メールは、タイへ旅行される前後に送られてくるので、彼女のワクワク感をおすそわけしてもらっている感じだ。
 看護師の仕事は想像以上にきつい。たまったストレスを解消するためには、タイへ旅行するのが一番。日本とは空気がちがう。ここでいう空気とは、単なる空気ではなくて、人間をやさしく包みこんでくれる空気のことだ。タイに行くと、日本でのギスギスした人間関係が忘れられる。できることなら、そのままタイにいたい….。しかし、仕事が待っている。したがって、日本に帰って来ざるをえない。
 K子さんの心はいつもタイに向いている。今年もタイ旅行を大いに楽しんでもらいたい。