幽玄会五十周年

幽玄会と書いても、それが一体何であるかはわからないであろう。これは、目黒区柿の木坂に在る茶道教室の名称である。私はこの教室に20代半ば、3年ばかり通ったことがある。しかし、それ以来、無断欠席のまま44年が経った。
 昨日、郵便受けに茶封筒が入っていた。本が入っていることは体裁から判った。差出人は幽玄会。
 さっそく開封すると、『茶道名言集』(井口海仙著 里文出版 平成22年刊)という本が入っており、挿入された文面によると、5月21日に幽玄会が50周年祝賀会を開いたことが書かれてあった。
 長期にわたる無断欠席者にまでお祝いの御品を贈ってくださるとは! 多くのお弟子さん達に囲まれた写真を拝見すると懐かしいお顔が…。大先生は103歳。大先生の後継者であるご長女は約80歳。さらに未来の後継者であるお孫さんは50歳。そのまた先の4代目のひ孫さんまで勢揃い。茶道一家のご長寿に祝杯をあげたい。

マンション区分所有者である中国人の発言

昨晩、『2020年 マンション大崩壊』(牧野知弘著 文藝春秋社 2015年)を買って来て読んだ。その中に、タワーマンションを買い漁っている中国人の発言が書かれていた。
 「なぜ、この管理組合総会の議事進行は日本語で行われるのだ。私は中国人。このマンションの所有者の多くは中国人と聞いている。ならば総会における使用言語は中国語で行うべきだ」
 なるほど。そういう時代になって来ているということか。
 聞くところによると、豊洲の某タワーマンションでは、火災訓練が日本語と英語でなされるそうだ。
 泰日文化倶楽部が入っている高田馬場駅近くの雑居ビルも、中国人オーナーが増えつつある。「您好」だけでは済まされなくなってきた。

「-อ」母音 と 「 เ – าะ」母音

 タイ文字を習う初心者は、「-อ」母音を早く覚えてほしい。何故ならば、よく使う単語に出てくるからだ。
名詞=ของ ดอกไม้ ทอง พ่อ หมอ
動詞=ขอ คอย จอง ชอบ ต่อ นอน มอง รอ สอน สอบ หลอก
数詞=สอง
形容詞=อร่อย หล่อ หอม อ่อน
前置詞/副詞=ก่อน
「-อ」母音の短い音が、「เ-าะ」という表記になるが、形がかなり異なるので、初心者にとっては厄介である。この短母音形を用いた単語を列挙すると、①島 ②ドアを叩く ③ランブータン ④耳に穴をあける(ピアス) ⑤特に ⑥喧嘩する ⑦クッション ⑧何故ならば ⑨似合っている ⑩笑う、等が有る。宿題とするので、ノートにタイ文字で書いてみよう! 

変わっていて面白い(แปลกดี)

横須賀支部の花展で撮った写真を、バンコク在住の元タイ人講師にラインで送ったところ、すかさず「แปลกดี」という感想が返って来た。これを訳せば、「変わっていて面白い」。
 写真の被写体は、野菜や果物を生活雑器にうまく生けたものだ。花展の会場で私も発想自体が面白いと感じたが、タイ人にもその面白さがわかったようだ。
 ところで、日々、何気なく過ごしていると、この「แปลกดี」という感情が沸き起こってこない。そして、いつのまにか1週間が過ぎ、1ヶ月が過ぎ、そして、年末を迎えることになる。
 これではいかん。「แปลกดีの驚き」を求めて、街に出よう。アンテナを張り巡らして、感性を磨こう。

蕨 と タイカレー

 お茶の稽古仲間から山形産の蕨をいただいた。蕨はあく抜きが必要だ。そこで、茶道講師があく抜き用の灰をわけてくださった。
 蕨はあく抜きをしても、独特のえぐい感触が残る。それが乙なものであることはわかるが、一人で大量に食べるには飽きが来そう…..。
 そこで考えた。非常食用に買ってある「チキンとタイカレー」という缶詰を開けて、一緒に煮込んだ。タイカレーの強さが蕨を凌駕して、たちまちのうちにタイ料理になった。蕨が空心菜(ผักบุ้ง)の代用のように思われ、一気に食が進んだ。和風の材料である蕨がタイ料理にお嫁に行き、見事に調和したので、嬉しや嬉し。

新しい先生は理学療法士

ギック先生が5月10日でお辞めになられたので、後任の先生を探していたが、昨晩、新しい先生と面接。5月31日から「タイ語中級 水曜日18:00」と、「タイ語入門 水曜日19:30」の2クラスをご担当いただくことになった。
 新人講師の愛称は「ติ้ว ティウ」。お母様が「ティウター(タイ式発音)= tutor 家庭教師」と名付けられたそうだが、長いので「ティウ」になったそうだ。
 3年前から東京医科歯科大学で理学療法(กายภาพบำบัด physical therapy)の研究をしておられるチェンマイ女性である。親しみやすい性格だ。はきはきとした発音だから、生徒の皆さんには聞きやすいと思う。

語彙力チェック

個人レッスンを受講したいという女性が現れたので、まずは彼女の語彙力をチェックしてみた。「抽象名詞をつくる接頭辞ความを使って、単語を10語、5分以内にすらすらと書きなさい」という出題に対して、彼女は次なる単語を列挙した。
 ความรัก ความคิด ความจริง ความสุข ความหมาย ความลับ ความสะอาด ความสุภาพ ความเข้าใจ ความเรียบร้อย
実を言うと、この出題を同じく個人レッスンを受けている中年男性にしたところ、かなり時間がかかった上に、普段あまり使わない難しい単語ばかりをノートに書いた。彼いわく、「本ばかり読んでいますから。会話はしません」
 私は助言を与えた。女性にはもう少し難易度の高い単語を、そして、男性にはもう少し使用頻度の高い単語を書くように、と。
 語学の勉強には柔軟性が要る。文章はどうにでも書ける。そのためにも、語彙力強化が大切だ。

カンボジア製のブラウス

 昨日、小原流横須賀支部の花展へ出かけた。今回のテーマは「A LIFE~花」ということなので、生活雑貨を花瓶にしたものが多かった。傑作なのは、おひつ。最近、とんと見かけなくなったものだ。漁師の家へ行って借りて来たとのこと。だから大きさが大ぶり。花材は野菜と果物。使い方によっては素敵なオブジェになることを知った。
 花展の後、横須賀の街を歩いた。この街はいつ来ても雰囲気が特殊だ。不動産屋の窓ガラスに貼られた物件は英語だけという店も有った。昨日は諏訪神社の大祭ということで屋台がいっぱい並んでいた。水兵さんの白い制服がまぶしい。
 婦人物の店に入ってブラウスを買った。タグを確かめるとカンボジア製。丁寧な縫製に感心しつつ、カンボジアの女性達の顔を思い浮かべた。

蕎麦屋で通訳

昨夜、泰日文化倶楽部の近くにある蕎麦屋でじゃこ天そばを食べていると、「ハロー」と言って2人の女性が店に入って来た。タイ女性かなあと思ったが、彼女達の会話は英語だ。香港から来たのだろう。
 彼女達は何を注文していいかわからず、近くの客が食べているものを指差した。天婦羅そばが出て来ると、一人の女性が「卵のごはんも食べたい」と言い出した。店の人は、「まずは天婦羅そばを食べてください。それだけでお腹がいっぱいになりますよ」と言った。しかし、彼女はわからない。そこで私が通訳に入った。“Please eat Tempura Soba first. Then you ask your stomach.” 
 卵丼が大好きだという女性はシンガポール人であった。もう一人はニューヨークから来た中国系カナダ人。「あなたは?」と聞かれたので、思わずタイ人と答えそうになった。英語の発音がものすごくすばらしいと褒められた。英語の先生を再開しようかしら。

ブログは今日から16年目に

私はこのブログを2002年5月19日から書き始めました。したがって、今日から16年目に入ります。旅行中を除き、徒然なるままにほとんど毎日書いてまいりました。テーマはタイとタイ語、そして、アジア。しかし、最近はなんだかいろいろな話題にまで広げ過ぎ…..。
 何故、書くか? それは私の情熱を持続させるためです。喧噪の日々、私は感覚を研ぎ澄ませて世の中の動向をつかもうと懸命です。小さな事柄でも焦点を絞ります。点と点を線にし、線と線を面にし、面と面を立体化して、事象を感じ取って行く訓練、そして、言葉と言葉を綴り、紬の如く織って行く作業。健康が許す限り続けたい。
 昭和63年から開塾した泰日文化倶楽部は平成29年まで生き延びてまいりました。平成もあと1年と7ヶ月余。新しい元号に入ってもまだ存続しているとするならば、三代の御代に亘るタイ語塾になります。よし、頑張ろう!