蕨 と タイカレー

 お茶の稽古仲間から山形産の蕨をいただいた。蕨はあく抜きが必要だ。そこで、茶道講師があく抜き用の灰をわけてくださった。
 蕨はあく抜きをしても、独特のえぐい感触が残る。それが乙なものであることはわかるが、一人で大量に食べるには飽きが来そう…..。
 そこで考えた。非常食用に買ってある「チキンとタイカレー」という缶詰を開けて、一緒に煮込んだ。タイカレーの強さが蕨を凌駕して、たちまちのうちにタイ料理になった。蕨が空心菜(ผักบุ้ง)の代用のように思われ、一気に食が進んだ。和風の材料である蕨がタイ料理にお嫁に行き、見事に調和したので、嬉しや嬉し。