自死する金魚

昨日、個人レッスン後、泰日文化倶楽部の近くにある蕎麦屋へ行った。もう30年も行っている店だから、店の皆さんとは懇意だ。
 この店は入り口の自動ドア近くに置いてある手水鉢の中に金魚を飼っている。金魚は3匹。いずれも1.5cmくらいの小さな金魚で、見栄えは全くしない。
 「いつ見ても同じ大きさみたいですけど、金魚、大きくならないの?」と私は尋ねた。
 「大きくなると、自分からジャンプして飛び出すんです。朝、床の上で死んでます」と、お店の人。
 「それじゃあ、まるで人間の飛び降り自殺と同じですね」と、私。
 窮屈さを覚えると、あるいは、老いを悟ったものは、どこかへ消える。生物の摂理かもしれない….。だが、消えることはないじゃないか。新たなる身の丈に合った空間を求め、五感をふりしぼって、与えられた「一回限りの生」に輝きを加えようではないか。

気仙沼の鰯の缶詰

一昨日、池袋東口に在る「宮城ふるさとプラザ」へ行き、鰯の缶詰を買った。製造者は気仙沼ほてい株式会社。缶の表には、「DHA・EPA 三陸 気仙沼ほてい 鰯 いわし 醤油煮」と書いてあった。私は醤油煮の他に、バジルソース味も購入。賞味期限は2020年8月22日。実に長い。これなら買い置きをしておいても安心だ。
 ところで、DHAとは「ドコサヘキサエン酸」、そして、EPAとは「エイコサペンタエン酸」の略語だそうで、いずれも認知機能の維持に非常に役に立つとのこと。両者の効果には差異が有るそうだが、専門的な話はやめて、大雑把に見ると、高齢者には最適の食べ物だ。記憶力も高めてくれるというわけだから、毎日、少しずつでも摂取したい。
 今日は震災(3.11)から7年。報道機関は震災を特集した番組ばかり。それはそれでいいが、東北の産物を食べることで東北を永遠に応援しよう。

掃除は楽しい

昨日、雑排水管の洗浄検査が有ったので、業者を待った。検査が有ることは1ヶ月前から知らされていたので、1週間前から台所のシンクや洗面所や風呂場を少しずつ掃除した。その結果、当日はあわてずにすんだ。
 掃除をしながら思ったこと、それは、「きれいになるのは気持ちがいい。掃除も楽しい」ということである。磨くときれいになる。すると、まだ磨ききれていない部分の汚れが目立ち、気になって仕方がない。だから、さらに磨く範囲を増やしていく。
 掃除をしながら考えた。勉強も読書も同じではないかと…..。興味が広がると、もっと知りたくなる。それをシャットアウトすると、そこでストップ。もったいない。どんどん行動を広げていけばいいのに。
 日本の住所は、国、県、市(又は郡)、町、村、番地というように、だんだん狭まって行く。だが、世界諸国の住所は、番地、村、町、市(又は郡)、県、国、というように、広がって行くのがほとんどだ。話題や発想を展開するには後者のほうがよろしい。

さんぴん茶

 知人から沖縄土産として「さんぴん茶」を頂いた。袋の裏に次なる説明文が有った。
 「沖縄で言われているさんぴん茶とは? 昔、台湾からジャスミン茶を輸入した際のよび名が香片(シャンぺェン)と呼ばれ、シャンぺェンがなまって、沖縄では“さんぴん”と呼ばれるようになりました。さんぴん茶の原産国は、主に中国や台湾になります」
 ネットで調べると、香片(シャンピエン)と書いているものもあった。いずれにせよ、シャン(香)がサンに、ペェン(又はピエン)がピンに聞こえた結果、「サンピン」になったというわけだ。
 外国語を日本語に導入する際、日本語の母音や子音に組み込んでしまうために、このような現象が起きがちだ。外国人にはわかりにくいであろう。
 時間があれば、そして、単語の由来に関心が有るならば、和製化した外国語を列挙してみてはいかが?

1週間で90分の授業だけでは駄目

代講していつも思うこと、それは、生徒の予習・復習にかける時間があまりにも少なすぎて、学力の伸びがみられないということだ。昼間の仕事で疲労困憊だから無理もないが、そこは自助努力でなんとかカバーしてもらいたい。
 何でもそうだが、自分に力がついてきたなあと感じると嬉しいものだ。タイ語も同じ。発音が上手になれば、自分自身、とても気持ちがよくなる。1週間に1コマの授業(90分間)ではとても間に合わない。どうにかして、一日に30分間でもいいから、勉強の時間を捻出してほしい。
 先日、個人レッスンを受けている女性に、“Satisfied life is better than successuful life. Because our success is measured by others. But our satisfaction is measured by our own soul, mind, and heart.”という文章を読んで聞かせてあげた。すると、彼女は、「私が習いに行っていた英会話教室の先生より英語の発音がはるかに上手だわ!」と言ってくれた。私は英語であれ、タイ語であれ、一つ一つの単語に感情移入をしながら発音するように心がけている。そうすることがとても楽しい。

FOODEX 2018

昨日から幕張メッセに於いて、「FOODEX 2018 第43回国際食品・飲料展」が始まったことをテレビの経済ニュースが盛んに伝えている。今年は中南米の食品が人気だそうだ。
 クラゲを日本に輸出しているタイ人の来日目的が、このFOODEXを視察し、いろいろなバイヤーと交流し商談することにあったことが判明。彼から送信して来た写真には、日本人バイヤーと、「忍者の店」で仲良く食事をしている様子を伝えるものがあった。タイ人と日本人が仲良くしている光景は実にいい!
 日本の高齢者は食生活のメニューが限られている。納豆、みそ汁、蕎麦、うどん、煮物、魚、漬物…..等々。だが、世界には面白い食品が有るわけだから、たまには未だ食べたことがない料理を食べて、脳と心の活性化をはかろう!

クラゲを輸出するタイ人

最近、日本にクラゲ(แมงกระพรุน)を輸出しているタイ人にお会いした。彼のお姉さんは泰日文化倶楽部の元タイ語講師。なので、彼とは20年ほど前に一緒に食事をしたことがある。風貌のいい中年になっておられた。
 彼と奥様を中華料理に招待すると、メニューの写真を見ながら、クラゲを使った酢の物を注文された。そして、セブンイレブンへ行くと、冷やし中華を手に取って、具材の中のクラゲを指しながら、「このクラゲは私の会社から日本に輸出しているものです」と説明してくれた。
 彼には4人のお姉さんがいる。1番目の姉は料理がプロ級。2番目の姉はトムヤムクンに使われるふくろたけを輸出。3番目の姉(泰日文化倶楽部の元講師)は弁護士、兼、会社社長。4番目の姉はフランスのリヨンでタイ料理店を経営。私はこのファミリーをみんな知っている。彼には5人のお子さんがいて、今度は子供達を連れて来たいそうだ。やり手の経営者であり、良きパパでもある。

ぶにが有る(香川県の方言)

 タイ語を習っている人、そして、タイへ観光に行ったことがある日本人なら、「タムブン(功徳積み)」というタイ語を知っているはずだ。「タムブン ทำบุญ tham-bun」が、音変化(bの前の末子音がnになる傾向)により、「タンブン than-bun」と発音されるから、「タンブン」だと思っている日本人が多いが、タイ語で書くと、あくまでも「タムブン tham-bun」である。 
 ところで、香川県の方言に、「ぶにが有る」という表現がある。「運が有る」という意味で使う。この「ぶに buni」が、パーリ語から由来しているタイ語の「ブン บุญ = 善、福、福徳、功徳」と共通する仏教用語だということは十分に想像し得る。パーリ語では、「ブンニャ」、または、「ブニャ」と読むから、タイ語では、「ブン」、香川では、「ブニ」という発音が導入されたと思われる。
 香川県は空海が生まれた県である。そして、平家の落人(おちうど)がたくさん住んでいたところだから、京ことばも残っている。由来を知れば、方言もまた楽しかりけり。

そやろ & そやな

平昌オリンピックで銅メダルを取ったカーリング娘達の「そだね」が注目を浴びている。試合中に聞こえてきたアクセントに私は違和感をもった。さらにはそれが<北海道弁>だと言うのにも首を傾げた。だが、スポーツにおける若者達の連帯感の表れだと思えば納得。
 昨夜、『司馬遼太郎』(谷沢永一著 PHP研究所発行 1996年)を読んでいると、「(司馬さんは)我々に“そやろ”と同感を求めて、感覚の交流をする。そういうゆとりがありました」という文章を見つけた。
 そうだ。関西人なら、「そやろ」という言葉をよく使う。それに対して、相手は「そや」とか、「そやな」と相槌を打つ。「そだね」と言うよりも、「そやな」のほうが、べたべた感が一層増し、親近感がより深まるのが関西弁だ。関東人はそれを嫌うが、「そやな」はほんわかしていい。

聴力を鍛えよう!

今日3月3日は「雛祭り」。だが、「耳の日」でもあるそうだ。それを聞くと、語学を勉強している者にとっては、「聴力の大切さ」を、今日一日、特に意識したいものである。
 語学教材の広告で、「聞いているだけで話せるようになる」という広告があるが、果たして実力がつくのであろうか疑問である。英語の場合は中学からの学習歴が長いから、出来ても出来なくても、そこそこ馴染むことができるかもしれない。しかし、5つの声調を持つタイ語は聞き流すだけでは絶対に正しい発音ができない。
 昨晩、「タイ語中級 金曜日19:00」で、「ต้นเดือน 上旬、初旬」を書かせたが、 ต้น(初め ton 下声)が ตน(自分 ton 平声)になっていた。タイ語の場合は声調が変わると全く別の単語になってしまう。それを意識して勉強することが肝要。今年は「聴力を鍛える!」を目標に頑張ってみてください。