茶道講師と茶碗

昨日、ホームステイをしているタイの母娘を茶道教室へご案内した。前日、お茶に興味が有るか否かを尋ねたところ、「有ります」という返事だったので、早速、茶道講師にメールを打ち、「タイからのお客様を連れて行きますので、お菓子を2個ばかり、追加してください」とお願いした。
 お点前が始まると、お菓子が供された。びっくりしたのはお菓子がタイのベンチャロン焼きの鉢に盛られて出て来たことだ。亭主である茶道講師の配慮たるやすごい。掛け軸には、「一期一会」が書かれてあった。これまた、実に風流であることか。
 茶道講師はタイへ数回、行っておられ、タイ語に対する反応もすばらしかった。茶道具は数限りなくお持ちのようであるが、迎える客人のお国のものに合わせて茶碗や菓子鉢を出すということは、長年、時間をかけて蒐集なさった賜物にほかならない。

教育熱心なタイの両親

ピカピカ先生が日本語学校を卒業し、希望の専門学校に入学した。それに際して、ご両親が3月末から東京に来られ、入学料や授業料を支払い、全ての手続きを終えられた。
 そこで、昨夕、私が行きつけの割烹へ皆さんをご招待した。いろいろと話し合っていると、寮費の半年分をすでに前納したことがわかり、今回支払ったお金を単純計算しただけでも、気が遠くなるほどの金額であった。
 ピカピカ先生はタイの大学を卒業後、東京で日本語を1年勉強した。これから4年、専門学校に支払う必要経費は馬鹿にならない。教育熱心な親達はどこにでもいるが、外国で勉強するにはお金がかかる。それを難なく支払えるタイの親達。
 お金の心配は無いが、可愛い娘が東京で一人暮らすのには心配でたまらない。最近の日本のニュースもよく見ておられるから、なおさらだ。「吉川先生の家に住むわけにはいきませんか?」と言われたので、参考のために、私の家にご案内した。

ホームステイ初日

昨日からタイの女子高校生(愛称:ギフト)が我が家にホームステイにやって来た。娘のことが心配で、4月末までお母さんも滞在されるとのこと。
 お母さんは私にお願いした。「娘には日本語で話しかけてください」
 私は同意した。何故ならば、そうでなければホームステイをしている意味が無いからだ。
 そこで考えた。私が話す日本語をお母さんにタイ語で通訳させることである。今週、日本語学校に入ったばかりだから、果たしてできるかなあと思ったが、意外や意外、それが出来るのだ。勘がいい!
 お母さんに言った。「お嬢さん、語学センスありますよ」
 お母さんは安心して、満面の笑みを浮かべた。語学は頑張って勉強するというよりも、楽しく生活する中で覚えていくほうが上達が早いとみた。

リムジン と リムジンバス

そろそろソンクラーンだ。タイ人の民族移動も近い。一昨日の夜、ソフトクリームをなめながら目白駅から歩いている6人組がいた。タイ語が聞こえて来た。彼らと平行しながら歩いたが、いつのまにか住宅街の方へ消えて行った。
 泰日文化倶楽部のイー先生に頼まれて、14日と15日にタイ人家族が赤ちゃん連れで我が家に泊まりに来る。
 奥さんからラインが入って来た。「空港から家までタクシーだといくら?」と質問してきたので、「羽田? それとも成田?」と確認してみたら成田であった。「それならリムジンで池袋のメトロポリタン・ホテルまで来てください」と答えた。
 イー先生も我々のラインに入って来て、リムジンの切符の買い方を教えた。
 すると、奥さんが「わかったわ。ところで、リムジンって何?」と聞き返してきた。イー先生が、「bus」と書き込んだ。
 何故、こんな質問をするのかと思ったら、リムジンという単語は専属運転手がいる高級セダン車のことだから、奥さんには意味が解せなかったわけだ。リムジンバスと説明すべきであった。しかしながら、バスの命名の仕方が大袈裟すぎる。マンションでもないのに、マンションといっているのと同じだ。外国人にはわかりにくい和製英語はまだまだ有りそうだ。

譲り受け

茶道教室へ行くと、皆さん、季節(ฤดู)を感じさせる素敵な着物を着ておられる。帯の絵柄に蝶(ผีเสื้อ)があしらわれていると、本当に蝶が飛んでいるようだ。日本の伝統物は季節が大事であり、色合いも季節と共に選ばれる。二十四節季に合わせて着物や帯を選ぶとすれば、いくら有っても足りない。
 私の大学時代の先生は91歳。老人ホームの介護病棟に移った去年、ほとんどの荷物を処分されたそうだ。高価な着物も…..。私がお茶を始めたことを話すと、「残念。遅かったわ。あなたに差し上げたかったわ」とおっしゃられた。
 この話を昨日、「タイ語中級 水曜日15:00」のクラスで学んでおられる女性で、泰日文化倶楽部きっての最高齢者の生徒さんに話したところ、「あら、私もずいぶん処分しましたわ。でも、まだ残っていますから、差し上げましょうか?」と言われたので、私はすかさず応じた。「いえいえ買わせてください」
 高価な着物を買ったところで、私もいずれは着なくなる。となると、箪笥の中に眠っている着物を活用するほうがいい。人生の先輩から着物を譲り受けること、それは新しい着物とは違う味があることであろう。

たまには休みを

今朝、ヨーグルトのカップを開けると、ふたの裏(หลังฝา)に、「たまには休みを」という言葉が書かれてあった。朝食を終えたあと、さてブログを書こうかとPCを開けると、ブログのソフトがうんともすんとも反応しない。1時間近く奮闘したがだめ。なるほど、ブログも休みを取りたいというわけだ。数時間後、やっと開通した。
 今夕、ホームステイを予定しているタイの女子高校生とお母さん、そして、泰日文化倶楽部のボン先生が、私の家を見に来られることになっている。掃除は万全だ。誰かが来るとなると、掃除や片付けに拍車がかかるから、それはそれでいい。
 女子高校生の愛称はギフト(gift กิฟท์ )。ギフトには、贈物、進物、という意味があるが、他に、天賦の才という意味もある。これから6月末まで彼女をお世話することになるわけだが、素敵な愛称を持っているので、とても呼びやすい。
 いずれにせよ、長期戦の80日間を乗り切るには、私自身、しっかりと休んでいないとだめだ。

香港女性と個人レッスン

3月から開講したばかりの「タイ語入門 水曜日19:30」の講座を、先週、香港女性が無料見学された。声調言語には抵抗感が無いはずだから、グループレッスンをお勧めしたが、最初から勉強したいということで、しばらくは個人レッスンを受けることになった。
 昨夜、第1回目の授業を実施したが、すべての発音が完璧であった。無気音と有気音ははいずれも完璧。末子音の~k、~t、~pも完璧。声調は第4番目の高声だけ、最初、分かりにくそうにしていたが、発声の仕方を教えてあげると、なんなく出来るようになった。
 何故、出来るのか? タイ語と広東語の両言語にはきわめて近似性があることがわかった。香港女性にとってタイ語はお茶の子さいさいだ。台湾青年もうまかったが、香港女性のほうが発音においては数段、楽そうに発音をしている。
 タイ女性(タイ人講師)、日本女性(私)、そして、香港女性(生徒)の3人が夜9時まで一緒に語学をやるという光景は、ビデオに撮ってお見せしたいほど素敵なものであった。

見る・聞く・話す

今年2月から茶道を習い始めたが、現在までのところ、お点前をするまでには至っていない。帛紗や茶巾のたたみ方の割り稽古だけを受講し、あとはもっぱら先輩方の所作を拝見しているだけである。
 昨日は、茶道講師が着物の着付けを教えてくださった。これまた、私は見るだけ。なるほど、なるほどと思って帰宅後、自分で帯を結んでみたが、残念なことにさっぱりできない。見るだけではだめか。やはり何度も着て、体で体得しなければならないようだ。
 ひるがえって、タイ語の勉強やいかに? 教室でタイ人講師の発音をしっかり聞くことから始めよう。しかし、日本語にはない子音や母音は、どの生徒達にとっても難しそうである。勉強は訓練の積み重ねだから、倦まずたゆまず続けるしかない。そして、聞くことのほかに、もっと大切なことは話すことである。しかし、話す内容が無いようではお話にならない。常に話題を探しておくことも肝心!

トリビアの語源

昨日、「同窓生トりビア」について書いたが、トリビアという単語の語源を調べてみると、3つほど、書いてあった。
 ①ラテン語の「tres(三)+via(道)」で、三叉路という意味。どこにでもある場所、ありふれた場所、という意味から派生して、くだらないこと、瑣末なこと、という意味になった。
 ②中世に於ける「文法、修辞学、弁証法」の三学のことを といい、初歩的でつまらないという意味に転じた。
 ③日本のテレビ番組「トレビアの泉」で、雑学的な事柄や知識という意味に用いた。
 いずれにせよ、三叉路(สามแยก)という言葉には興味が有る。私の名字のイニシャルは Y である。まっすぐ進んで来ると、右(ชวา)へ行くか、それとも、左(ซ้าย)へ行くか、どちらかの選択が待っている。後戻りはできないから、どちらかを選ぶ。しかし、右を選ぼうが、左を選ぼうが、行った先には、また左右の選択が待っている。新たなる挑戦と思えばいいのだ。

同窓生トリビア

母校の東京女子大学から「同窓会会報(2016.3)」が送られて来た。真っ先に見るのは一番後ろに書いてある<謹弔>だ。この半年間で多くの先輩が亡くなっている。そして、後輩も10人ばかり….。
会報をぱらぱらとめくっていたら、「同窓生トリビア」の記事が目にとまった。今日(4月2日)の放送をもって終了したNHK朝の連続ドラマ「あさが来た」の原案である『小説 土佐堀川-女性実業家・広岡浅子の生涯』(1989年)を書いた古川智映子さんが卒業生であることが紹介されていた。私よりも15年、先輩だ。
 そして、去年、放映された「マッサン」の原作の一つである『リタとマッサン』を書いた植松三十里さんも卒業生で、私よりも8歳年下の後輩であることがわかった。東京女子大学の卒業生には何かを書きたくて書きたくてたまらない人達が多い。