女流画家の主張

私は長寿の女性に関心が有る。彼女達の来し方、そして、生き方を知りたい。そして、参考にしたい。
 昨日、近所の古本屋で、『私流に現在を生きる』(堀文子著・中央公論新社 2015年)を購入。一気に読んだ。
 堀さんは1918年(大正7年)生まれ。現在、97歳。あと2ヶ月すれば、98歳におなりになる現役の画家である。
 「絵というものは、教えることができない唯一のものです。味覚と同様、フォルムや色の感覚は習うものではないのです。生まれたときにその人がもっているものに他なりません。その感覚だけを頼りに自分で創造し、世界を作っていくのだと思います。その人の運命を開拓することは、その人自身がするべきことなのですから、誰かに教えを請うてはいけないのです」
 長い引用となったが、これは語学にも通じるのではないだろうか。語学センスの良さは個人の問題である。

工場開き と 生け花

昨日、バンコクから生け花の写真が10葉ばかり、ラインで送られてきた。私がいつも泊めていただくJ先生(泰日文化倶楽部の元講師)のご主人がチョンブリに新しい工場を開設され、その工場開きが昨日、大勢の方々を招いて盛大に行われたことを知った。生け花は新しい工場に彩りを添えていた。
 タイでは、発展、前進を祈願して、「9」の数字に縁起をかつぐが、なるほど、昨日は「29日」であったから、まさしく良き日であったわけだ。
 私が感心したのは、いずれの花も生け方がすばらしかったこと! 
「日本で数回しか習っていませんが、日本の生け花を思い出しながら、妹と一緒に生けました」と書いて来られたJ先生。妹さんも早稲田大学に留学しておられたから、生け花を習われたのであろう。
 私は泰日文化倶楽部で2007年より、「アジア女性のための生け花教室」を無料で開講しているが、その主旨は、アジア諸国の女性が、将来、母国で、日本を思い出しながら、花を美しく生けてほしいという点にある。こういう場面に活かされるとは、想定外であった。

発音矯正は非常に疲れます。

昨日で、2016年における泰日文化倶楽部の授業の3分の1が終わった。無事に終わったので、ほっとしている。
 私の第一の願いは、生徒の皆さんにタイ語の発音が上手になってもらいたいことだ。だから、発音矯正に力を入れている。そのことはタイ人講師にもお願いしている。
 しかし、皆さんの発音は一向に上手にならない。日本語の耳で勉強しているからだ。早くタイ語の耳を持たないと、いくらタイ人講師に習っても、発音は上達しない。
 「タイ語の発音を直すのは疲れるでしょう?」と、昨晩、いつも一緒に帰るピカピカ先生に尋ねると、彼女はこう答えた。
 「いえ、面白いです」
 それを聞いて、私ひとりが気を揉んでいることがわかり、思わず苦笑。なるほど、タイ人は違うステージで、のんびりと構えているんだ。タイ人から学ぶこと多し。

楽しい黄金週間を!

泰日文化倶楽部は明日の4月29日(金曜日)から5月6日(金曜日)まで、黄金週間として、お休みします。どうか、楽しく、有意義にお過ごしください。
 旅行に出られる方は、さきざきの場所で大いに刺激を受けることでしょう。それこそがまさしく旅の醍醐味。
 では、旅行計画が無い者はどうしましょうか。語学が好きな方はやはり語学の勉強ですね。語彙数を増やすことも楽しかりけり。文章をすらすら読めるようにすることも、これまた楽しいもの。
 昨日、個人レッスンを受講された生徒さんは、タイ語の中に見る外来語に興味をお持ちでしたので、彼の要望に応えて、いろいろと教えて差し上げると、横で聞いていたタイ人講師が、「タイの先生で、そのように解説できるタイ人はいません」と、言ってくださった。褒められると嬉しい。私ももっともっと勉強しよう。

Y子さんがタイ語を習う理由

この4月から、大学の「タイ語中級」のクラスに、一度もタイ語を勉強したことが無い女子学生Y子さんが受講している。「タイ語初級」と専門の授業が重なったため、「タイ語中級」を選んだらしい。
 それにしても、そんなにまでして早くタイ語を勉強したいというのには、きっと訳が有るはずと思い、タイ語を習う理由を尋ねてみたところ、Y子さんはこう答えた。
 「春休みに東南アジアをバックパッカーで回りました。タイ南部のスラータニー県へ行った時、お金を下ろす時間が無くて、現金が無くなって困っていたところ、親切なおばあちゃんが現れて、ごはんをただで食べさせてくれました。そのおばあちゃんにタイ語で御礼を言うためにタイ語を習いたいんです」
 「有難うございます」だけならすぐ言えると思うが、もっと内容の濃いタイ語を彼女は覚えたいのであろう。夏休みまでには何とかなると思う。私も彼女の一助になりたい。

髑髏パン

昨晩、プライベートの生徒さんがタイ人講師と一緒に、タイのデザートのレシピを勉強された。いろいろな単語が出て来たが、生徒さんは根気よくノートをとっている。その姿を見て、タイ料理とデザートの作り方を専門に勉強するだけで、相当のタイ語力がつくと思われた。
 材料の中に、山形の形をした食パンが出てきた。本家本元のフランスでは、「パンドミ pain de mie」というパンである。その山形パンをタイ語では、「髑髏パン ขนมปังกะโหลก カノムパン・ガローク」というそうだ。タイ人講師はそのパンの形状をホワイトボードに書き、さらに、髑髏まがいの顔を描き添えた。命名の仕方が面白くて、生徒さんと私は大笑いした。
 『しのびよる破局』(辺見庸著・大月書店 2009年)の中に、「言語閾というもの、あるいは言語圏というものを、ときどき変えてみる。別の言語閾に飛び込んでいく。そのときに、すばらしい、言語の信じられないような火花が散る。なにかの発見がある」という文章があるが、外国語を学ぶということは、実に面白い。

日本で生まれたミャンマー児童に言語教育

「アジア女性のための生け花教室」は、2007年1月から開講した。あと8ヶ月もすれば、満10周年になる。
 このクラスに最初から参加しておられる日本女性のHさんは在日のミャンマー人達の中では知る人ぞ知るという存在である。
 そのHさんが一昨日のお稽古を早めに切り上げ、何やらそそくさとお帰りになってしまわれた。
 「3時から、ルビー(ミャンマー料理店)にやって来る日本で生まれたミャンマーの子供たちに日本語を教える手伝いがありますから」
 というのが理由であった。そのミャンマー料理店では、母国語であるミャンマー語の授業も実施されている。しかし、日本で暮らすには日本語もきちんと習ったほうがいい。言葉ができれば、問題が起きた時、自信を持って主張ができる。犯罪に巻き込まれることからも逃れられる。そして、書類が読めることは大切だ。言葉は何語であれ、頑張って勉強したほうがいい。

中国・台湾の華道ブーム

昨日、「第105回アジア女性のための華道教室」を実施した。早稲田大学大学院で研究生活をしている台湾女性が参加。彼女は4回目であった。
 きれいに生けたお花の写真を撮っている彼女を見た私は、「お花と一緒に撮ってあげましょう」と提案。とても可愛く撮れた。
 華道講師が面白い話を聞かせてくださった。
 「最近、中国や台湾で日本の生け花がブームなんですよ。小原流の教授達は出張講義を頼まれてよく出かけています。免許を取った中国女性の数のほうが、今や、日本女性の免許取得者よりも多いんですって」
 稽古事をするにはお金がかかるものだが、彼女達には金銭的な余裕が有るとみた。そして、美を創造したい欲求が上昇していることを知った。

学ぶ力を持とう!

昨晩、香港女性に第3回目の個人レッスンをした。「来週の金曜日から黄金週間ですから、しばらく授業はお休みですよ」と言うと、少しでも間をあけずに勉強したいということで、第4回目は来週の木曜日20:30からということに決定した。
 昨春まで台湾青年がやはり個人レッスンを受けていたが、タイ語を勉強する二人の姿勢は不思議なほど類似している。彼らの考え方は、「集中して勉強し、早くタイ語の力をつけること」にある。したがって、お金をかけるのも当然だと覚悟している。
 ひるがえって、日本人の学習態度は至ってのんびり。そんなことでは、3年経っても、5年経っても、学力は伸びない。「オリンピックに来るタイ人の道案内ができればいい」という方がおられるが、最近のタイ人はiPhoneを使って、自由自在に自分達で行動している。
 それよりも、タイ語を学ぶことを通して、タイを知りつくそうという意欲が大切だ。それには、学ぶ力が必要だ。学ぶ力を持とう!

泰日文化倶楽部の黄金週間

泰日文化倶楽部は、4月29日(金曜日)から5月6日(金曜日)までの8日間、授業を休みます。黄金週間ですから、皆さん、大いに楽しんでください。
 昨日、「タイ語中級 木曜日19:00」のクラスのSさんから聞いたところによりますと、彼は28日からプーケット(ภูเก็ต)へ出発だそうです。Sさんはプーケットしか行かない生徒さんです。
 この休暇中、泰日文化倶楽部が入っているビルはエレベーターの工事をします。部品の交換です。今、部品を新しくしておかないと、これまでの部品はもう製造中止になるそうです。
 人間も然り。時々、いろいろな部位のメインテナンスが必要です。頭の使い方も….。新しい考えに切り替え、新しい生き方を模索するのはいいことだと思います。黄金週間を上手に使いましょう!