タイへ旅行された生徒達から、タイのおみやげをたくさんいただく。昨日は、ジャスミン入りの石鹸とチョコレートをまぶした干しバナナをいただいた。いずれの包装も、とてもデザインが良く、開けるのがもったいないくらいである。そして、英語の文字のほうが圧倒的に使われている。”Natural Soap ” & “Gluta Jasmine” とか、“banana society” & “Chocolate Dipped Solar Dried Banana” などと書いている。説明も全部、英語である。明らかに、輸出の拡大を目指していることが見てとれる。
だが、よく見ると、かすかにタイ文字の併記も有った。例:ส่วนประกอบ/Ingredient, กล้วยตาก/Dried Banana, น้ำตาล/Sugar, น่้ำมันปาล์ม/Palm Oil, โกโก้ผง/Cocoa Powder、等々。だが、これらのタイ文字は、見た目には、英語っぽく見える。
授業中、よく話題にのぼるのが、教科書の中に出てくる活字体のタイ文字ではなくて、広告等に使用されているおしゃれなタイ文字のフォントのことだ。これらの文字を読むには慣れが必要だ。活字体から、どのようにくずされて変形していったのか、その過程を少しばかり勉強すれば、そのようなフォントにもなじんでくるはずだが、タイ語を勉強し始めた初心者には大変に難しい。語彙を増やして、文章をたくさん読んでいけば、すなわち、タイ語の単語が自分のものになっていれば、どんなフォントで書かれていようとも、理解できるはずだ。
女子大学生 と タイ人との御縁
2年前に大学でタイ語を受講した女子学生N子さんは、母方の祖父がタイ人であった。その祖父にあたる方とは40年前に面識が有ったので、N子さんを教えながら、とても不思議なご縁を感じた。
ところが、N子さんはアメリカへ留学することになり、数ヶ月で彼女とはさよならすることになってしまった。
やがて1年半が経過し、N子さんは私の授業を聴講したいと言って、再び、私の前に現れた。アメリカでの留学生活が大変に満足行くものであったことは、彼女の表情から見て取れた。
授業中に学生の一人が私に質問した。「タイ人も南アメリカへ移民で行ってますか?」 それに対して、私は答えた。「タイは自然が豊かで、食べるものに困らないから、わざわざ遠い南アメリカへ移民で行く必要は無いと思います。ですから、あまりいないと思います」
すると、N子さんが次なる話を始めた。「アメリカに留学中、カナダのバンクーバーへホームステイに行ったのですが、ホスト・ファミリーが偶然にもタイ人でした」
それを聞いて、私は4分の1(クォーター)のタイ人の血を持つN子さんと、ホスト・ファミリーのタイ人とがバンクーバーで出会った御縁について考えた。タイ人も、長い時間をかけて、積極的に世界に出て行っていることがわかった。
子供に優しいタイ人
タイへ旅行に行った生徒達から、「タイ人は子供に優しい」という話はよく聞くが、昨夜も、同じようなことを聞くことができた。
「2歳の娘を連れて行ったのですが、ホテルの従業員がよく遊んでくれました。中には、仕事を放っぽり出してですよ。お菓子までくれました。地下鉄に乗ると、恐そうな人相の男がいて、彼が降りる時に私の肩をたたくので、何か因縁でもつけられたのかと思いました。しかし、彼は、席が空いたから座れ、というしぐさをしたんです。娘もタイに着いた最初はとまどっている様子でしたが、すぐになれました。私が
サワッディー カ と、コーププン カ を教えたところ、覚えて言うようになりました」
「あらそうでしたか。ですが、コーププン カ ではなくて、コープクン カ ですよ」と、私は発音を直した。
いずれにせよ、タイ人は子供や高齢者に対して、自然に優しくふるまう。倫理の時間に習うことは習うが、習ったからといって、全員がきちんとできるものではない。ものすごく自然であることは、日本人から見ると、ものすごく羨ましい限りだ。
いろいろな範疇の単語を覚えよう!
昨日、語彙力テストを実施したが、出題した語彙は全部で100語。受験生の希望を聞き入れて、日本語からタイ語に訳し、タイ文字で書くという出題であった。
語彙は幅広いジャンル(範疇)から出した。理由は、、偏った範囲から出すと、受験者の関心と一致しない場合、受験者ががっかりするからである。
外国語を勉強する場合、生徒達は『用語集』というのをすぐに買うが、便利で、てっとり早いように思われるものの、案外、すぐに飽きてしまうものである。自分で作った単語帳のほうが断然いい。何故ならば、授業の光景を思い出しながら、そして、先生の声が耳に残っているから、5~6回、その単語を唱えると、必ずや覚えられる。
いずれにせよ、幅広い分野の単語を少しずつ覚えればいい。たとえば、第1週目は、飛行機と空港、第2週目は、飛行機の切符の予約と離発着時間、第3週目は、機内食や飲み物(ビールや水、ジュースなど)を所望する時の会話、第4週目は、機長、CA(客室乗務員)、第5週目は、飛行機の類別詞、等々、というように必要な場面を想定して、それに付随した単語を優先して覚えるといい。
若い時は、勢いで単語が覚えられるが、年齢を重ねると、単語を覚えるということに拒否反応が生じる。したがって、楽しく、ゆっくりと覚えていくのがベストだが、偏った範疇の単語だけでは会話に幅が増えないので、意識して、いろいろな分野の単語を勉強しよう。
個人レッスンからグループ・レッスンへ
半年間、個人レッスンを受けておられた生徒さんが、今月からグループ・レッスンに変更した。変更した理由を尋ねると、「個人レッスンでは語彙が増えません。仲間のタイ語を聞いて、刺激を求めたくなりました」
それを聞いた私は、なるほどと思った。グループ・レッスンにはグループレッスンの良さがあるのだ。といっても、3~4人くらいで勉強するのが丁度いいと思う。しかし、半年くらい経つと、クラスの雰囲気になんとなく飽きがくるので、5人くらいのクラスで勉強するのもいい。
だが、早くタイ語の力をつけたい生徒さんは、グループ・レッスンから個人レッスンへの希望を申し出ている。それもいい考えだと思う。彼は年末までになんとか会話力をつけて、年末・年始をタイで過ごしたいそうである。個人レッスンの場合は、本人の学習目的をしっかりと聞き入れ、それに即した授業展開をしている。
時間とお金と目的をよく考え、個人レッスンとグループ・レッスンを交互にうまく利用し、少しでも長く続けてもらいたい。。
タイ語語彙力テスト
泰日文化倶楽部では、生徒の希望に応じて、3ヶ月に一度、語彙力テストを実施している。その生徒の学力を見た上で問題を作成するので、世の中にある一律の試験問題とは、少しばかり趣きをことにする。
7月から9月まで、バンコクのタイ語学校で3ヶ月間(180時間)、タイ語の勉強に行っておられたM氏が昨晩からまた復学されたが、彼は早速にもタイ語の語彙力テストに応募してこられた。彼の希望はタイ語の単語を正しく書けるようになりたいということなので、それに則して、目下、鋭意、問題作成に入っている。
タイ語の勉強は、まず発音、そして、やさしい会話から始めればいいが、やがて物足りなくなる。会話と言っても、自分の言いたいことはなんとか言えても、聞き取りができない。タイ人のタイ語があまりにも速いからだ。聞き取れない自分にいらいらする、という言葉をよく聞く。
さらには、辞書が引けるようになるにはタイ文字を勉強しなければならない。たくさんの文章を読んでいくうちに、難しい単語との格闘が始まる。宗教的、文化的、理論的、概念的、等々の語彙を、タイ語できちんと書けるようになるには、かなりの年月を要する。
いずれにせよ、どの言語にも共通して言えることだが、真面目に勉強しても、必ずや例外が有るので、その例外とやらに外国人はひねられる。しかし、そのひねりまでもが面白く感じられるようになったら相当なものだ。
新規開講クラス 「タイ語入門 木曜日20:30」
10月2日に引き続き、昨日(3日)からも、新しいクラス「タイ語入門 木曜日20:30」を開講した。勤務の関係で、遅い時間帯を希望される生徒達の要望に応えたクラスである。初めてタイ語を真面目に勉強される皆さんの顔は、授業が終わるまで、とても神妙そうな顔をしていたが、90分の授業後、「面白い!」と思われた方が多く、緊張からほぐれた顔をしておられたので、私も安堵を覚えた。
夜8時半から10時まで勉強するのは、大変にご苦労なことである。帰宅時間も遅くなるので大丈夫かしらと心配だが、東京は交通網が発達しているから、余計な心配をしなくてもよい。タイ語を習いたい人が、習いたい時間に習う。それが叶えば、幸せなことである。
最近、夜8時以降の残業を禁じ、朝早く出勤するようにと奨励している商社のことが話題になっているが、そうなると、夜8時半からのタイ語学習はお勧めである。
しかしながら、まだまだ遅くまで働かれる方が多い。「タイ語入門 火曜日20:30」のクラスのHさんが、今週の授業にやって来られたのが夜9時40分であった。普通なら、残りのわずか20分の授業のためには来ず、欠席する場合が多いが、そのHさんは頑張って教室に現れた、私は彼の熱意を感じて、午後10時半まで、彼に対して特別レッスンをしてあげた。彼は習う喜びを覚え、私は教える喜びを感じることができて、双方とも幸せな時間を過ごすことができた。
新規開講クラス 「タイ語入門 水曜日13:00」
昨日から、「タイ語入門 水曜日13:00」のクラスを新規に開講した。初秋のさわやかな空気のもと、新しい言語に挑戦する生徒達の顔は魅力的だ。
昼間のクラスだから、女性ばかり。女子大学生とキャリア・ウーマンが集まった。そこへ、サービス生徒として、社長さんが参加した。陽気な性格の社長はいつもニコニコしておられるが、彼の顔がますますニコニコしているのが見てとれた。まずは、無事に船出できたことに嬉しさを覚える。
ひるがえって考えてみると、タイ語のクラスは、ツアー・バスにたとえられる。「タイ語号」という観光バスに乗って、しばらく一緒に旅をするのに似ているとも言えよう。時間が無い人のためには、まず「日帰りバス」から始めよう。少し興味がわいてきたら、1泊2日の旅に参加し、徐々に時間とお金をかけていこう。
仕事をしている人の場合、旅に出っぱなしは無理。したがって、毎日、少しずつ時間を取って、「タイ語」という架空の旅を想像しよう。その際、タイ語の単語やタイの情景を脳裏に焼き付けていけば、本当の旅に出た時に、大いに役立つこと、間違いなし。
見学に来られる方は、「習うべきか、習わずにおくべきか」と、迷うのは致し方ない。しかし、タイ語というツアー・バスに乗れば、実に面白いんだから….。
上智大学初代学長の胸像
今週から上智大学の秋期授業が始まった。なつかしい顔と再会し、無事にスタートすることができたので、ほっとしている。
大学の正門を入ると左側に胸像がある。上智大学初代学長の胸像だ。いつもお花が絶えない。この胸像だが、世の中によく見られる胸像とはどことなく違う。よく見ると、ほんの少しだけ首を傾けている。決して威張っていない。瞑想にふけっているわけでもない。そこで、私は思った。初代学長は学生達に次のように問いかけているのではないか、と。
1)みんな、学問していますか?
2)大学生活、楽しいですか?
3)青春の悩み、かかえていませんか?
4)将来、何をやりたいのか、よく考えてますか?
学生達は皆、それぞれに頑張っている、と、私は思う。就職先が内定したことを教えてくれたS子さん。とても賢明なる選択であった。来年から留学を決めたN子さんも、未来に向かって生き生きしている。
上智大学は今年で創立100周年を迎えた。新たなる始まりを感じる。
泰日文化倶楽部 祝25周年!
1988年(昭和63年)10月から創立された泰日文化倶楽部は、タイを愛する皆様のおかげで無事に満25周年を迎えることができました。四半世紀という時間は感無量です。
これまでタイ語を勉強したいという熱心な方達がたくさん集まり、思い思いに巣立って行かれました。そして、新たなる生徒達が代わる代わる入会され、延々と教室が持続できておりますことは、仏陀に感謝です。
昨晩も、見学者が有りました。彼女は9年前の生徒でした。「吉川先生、お変わりないですね。いや、9年前よりも若返ったみたい」と、言ってくださいました。そのようなことは有り得ません。でも、嬉しかったです。新たなる1年に踏み出す意欲がかきたてられました。
3ヶ月、半年、9ヶ月、を大切にしていますと、あっというまに1年が経ち、それが、5年、10年、15年、20年、そして、25年になっただけです。これからも、タイ語を勉強したい方達のために、授業料が安くて、駅から近くて、楽しいタイ語教室を展開してまいります。タイ語の学力を少しでも向上させたいと思われる方は、是非とも泰日文化倶楽部で学んでください!