健康管理を第一に!

先日、神田川沿いの小道を歩いていたら、一人の女性とすれ違った。彼女はヘッドホンをしており、音楽に聴き入っている様子であった。
 そのお顔に見覚えがあった。だが人違いだと失礼なので、黙って通り過ぎようとすると、今度は彼女のほうが気づき、私に反応した。1年前におやめになった生徒さんであった。
 「体調をこわしたものですから……」と彼女は言った。
 「そうでしたか。お元気になられたら、またいらしてください!」
 それだけの会話であった。
 彼女は英語を教えている先生だと聞いている。だから、タイ語の勉強をしておられた時も、語学に対するくいつき方がすばらしかった。彼女には是非、また、泰日文化倶楽部に戻って来てもらいたい。

フランス語講座の一時閉鎖

泰日文化倶楽部では、2年前からフランス語講座を開講してきたが、現在の講師が通訳の仕事で多忙になられたため、受講生と話し合った結果、一時閉鎖することにした。
 これまでに2名の講師に教わったが、最初はアルジェリア人を父に持つR先生。彼女は留学生であった。卒業後、フランスに帰国されたが、今は再度、来日し、大阪に住んでおられる。おしゃれなマドモワゼルだ。特にネイルに関しては、パリの一流デパートでもネイリストとして働いていたことがあったので、彼女のネイル・アートを見るのが毎回、楽しみであった。
 去年の10月から今年6月までご出講いただいたT先生はフランス人男性と結婚しているスペイン人。2児の母親として、子供の教育、及び、しつけに厳しそうであった。授業ではいろいろと工夫して熱心に教えてくださった。
 留学生の講師とは友達感覚で、そして、マダムの講師とは大人の女性同士という感じで楽しい時間を持った。フランス語はなかなか身につかなかったものの、フランスやスペインの話をたくさん聞くことができ、知識が増えた。目指すは、フランス人が持つエスプリ(機知)。これがわかるには、やはりフランスで住まないと…..。

軽く、速く、タイ語を話そう!

2ヶ月前から日曜日の午後、プライベート・レッスンを受講しているE子さんから、昨日、とても嬉しい報告が有った。
 それは、タイからの顧客とタイ語を話すことに大成功をおさめ、周囲の関係者からも一目置かれたそうである。
 彼女は言った。「なんとなくコツがつかめました。タイ語は、軽く、速く、話せばいいってことを」
 それを聞いて、私はすかさず呼応した。「そうなのよ。軽く、流れるように話し、一つの文章を一気に話してしまうといいですね」
 彼女はまたまた繰り返した。「軽く、速く! ゆっくり言っちゃだめなんですよね」
 彼女は泰日文化倶楽部のグループ・クラスにも入って、タイ語をもっともっと勉強したい意向だ。「タイへ出張に行かされるかもしれません。私、おしりに火がついたんです」
 「おしりに火がつく」という表現、タイ語では何と訳せばいいですか?

聞いてください vs  来てください

タイ人に日本語を教えること、昨日で第19回目。生徒は少しづつやる気が出てきたらしく、会社でも日本人の同僚に、英語ではなくて、日本語で話しかけてくださいとお願いしているそうだ。
 教えていると、日本人には思ってもみなかった質問が有って、なかなかに面白い。
 「聞いてください」と、「来てください」の発音の違いがわからないと言われた。どうやら、「聞いて」の「い」が聞きとれないようだ。
 そうだとすると、「着てください」、「切ってください」、「切手ください」もわからないのではなかろうか。日本語には声調ではなくて、高低の差があるが、単語が連結されると、その高低差が消されてしまうことがある。たとえば、「早稲田 わせだ」は、最初の「わ」が高いが、「早稲田大学」になると、すべてが平らな発音になってしまう。
 もう一つ、追加すると、昨日の自由会話で「替える、変える」が出てきたが、生徒は「帰る」しか知らなかったので、不思議そうな顔をした。要は、たくさんの文章を聞いて、それを反復するように暗誦し、実際の場面で使って覚えていくしかない。

アート(art) & アース(earth)

『思うままに生きて 工藤和彦回想録』(工藤和彦著 せんだん書房 2014年)を読む。工藤和彦氏は、泰日文化倶楽部に生け花を教えに来られている華道講師が心酔してこの上ない大師匠である。その工藤氏が米寿を記念してお書きになったのがこの本だ。
 本の帯を引用すると、こうである。「昭和の激動期を生き抜いた花道家の波瀾万丈のドキュメント。第二次大戦中に中国に留学、戦後は炭鉱技術者として青春を謳歌した著者を、いけばなの世界が待っていた。現代いけばな界の重鎮が回想する半生の記」
 私は工藤氏の作品を何度も拝見したことがある。そして、80歳を過ぎても、使われている花の色が益々華やいでおり、枯れるところを知らないのが不思議でならなかった。だが、御著書を読んで、その疑問が解けた。彼は若い時、中国で暮らし、中国文明を肌で感じ取っている。そして、炭鉱という墨色の世界で働いた後、いけばな界にデビューするわけだが、エジプト、南米諸国、そして、インドを旅行し、それぞれの文明、かつ、諸文明が放つ独特の色を深く吸収しておられる。
 工藤氏の芸術(アート)は、地球(アース)規模である。よくよく見ると、”art” という文字は、”earth”→ ”e-art-h”の中に見え隠れしているではないか! アート(芸術)はアース(地球)の中にあってこそ、花開く。

職・住・学の隣接

 映画「戦場にかける橋」で有名なタイのカンチャナブリー県。カンチャナ(กาญจน)の意味は<金>、ブリー(บุรี)は<町>。したがって、訳せば「金町」となる。
 金町と言えば、東京にもある。その金町へ、昨日、仕事で言った。西日暮里から千代田線に乗って我孫子方面に向かうと、亀有と金町の間に中高層のマンション群が見えてきた。一つのマンションには東京理科大学という名前がつけられている。そういえば、大学が移って来て、町が活性化されたという記事を思い出した。
 昔であれば、住宅は住宅として、たくさんの団地が何棟にもわたって造られたものだが、今の時代は、なるほど、マンションと大学が同じ敷地にある設計だ。
 これは実に便利だと思う。マンションに住んでいる人が大学の講座を聴きに行く。知的刺激があっていい。大学関係者も通勤があって無きが如し。アルバイトをしたい人は大学で何らかの仕事にありつける。
 昨日、聞いた話だが、都内に建てられている駅周辺のタワーマンションは、オリンピックを目指して、富裕なる中国人が買いまくっているとのこと。オリンピックが終われば、多額の利ザヤを稼いで売り飛ばすという考えだそうだ。
 そういう話はあまりうれしくないが、職・住・学の隣接はまことにすばらしい構想である。

ボタン探し

タイで洋服を仕立てると、私が行きつけの洋裁店は、ほとんどの場合、共布で作ったくるみボタンを使う。田舎っぽくて好きではない。
 この間、日暮里の用品具店界隈を歩いた。ボタン屋が見つかったので早速、入ってみた。ところが仕事帰りであったため、肝心の洋服を持参していなかった。
 店主は言った。「洋服を持って来ないとだめ、だめ。生地の色やボタンホールの大きさって、覚えているようでも、案外、はずれが多いのよ」
 そう言われると、退却するほかなかった。理由は、ボタン1個の値段が予想以上に高く、買ったボタンが不適切であれば、大損をするからだ。
 日を改めて、今度は手芸品販売で有名な新宿の大型店へ行ってみた。ここにはボタンが有り過ぎて、選ぶのが大変であった。はずれても諦めのつく値段のボタンを購入。
 たかがボタン探し。だが、最適なるボタンを探すのは難儀なことであると、つくづく思った。
 <今日の教訓> 語学の勉強にはいろいろなやり方がある。したがって、早く最適なる学習方法を探すことが肝心なり。

作家の心

昨日はオフ。自宅で昼のニュースを見た後、BS放送で韓国ドラマを見ながら韓国語の耳ならしをしていたら、ドドーンという地響きがして、強烈に揺れた。すかさず3.11の大震災の時の揺れを思い出した。
 それからしばらくNHKの地震関連の報道を聞く。どこにも大きな被害が出ていないということで一安心。その後は読書。
 読んだ本は、『娘に語る祖国』(つかこうへい著 トレンドシェア発行 2011年)。この本はエッセイ集であり、①娘に語る祖国 ②人は幸せになるために生まれてきたのです ③『満州駅伝』- 従軍慰安婦編 の三部作である。
 つかこうへい氏の筆致は真実味に富んでいて、とても暖かく、ユーモアがいっぱい。一人娘に語りかける形で書かれているが、次なる文章が気に入った。
 「パパは作家として、国としての歴史的事実よりも、一人の人間の小さな事実、そのときのその人の心の動きに興味があるのです。そして、この本の冒頭に言ったように、何かそこに希望を見つけないと、書いてはいけないと思っています」

藍染の中国服

中国人2名が今年の6月から泰日文化倶楽部に入会されてから3ヶ月が過ぎた。彼女達はとても熱心に勉強している。その熱意たるや、日本人の生徒よりも2倍、いや、4倍だ。
 昨晩、彼女達が勉強に来ることがわかっていたので、10年前に上海で買って来た藍染の中国服(上着だけ)を着て教室に出かけた。案の定、二人は私の服を見て、すかさず反応した。
 その服の襟元、及び、裾には漢字が書かれている。だが、その字体が行書体のような形をとっていたので(*中国での正しい書体の名称を何と称するかは知らない)、若い中国人達には読めなかった。
 藍染の服は、上海に在る中国藍印花布館という専門店までわざわざ行って買ったものである。家内工業的な工場も併設されていたので、藍染の工程も見学できた。非常に高価なものであったが、本物の藍染だから納得。あと30年は十分に着られると思う。

音読しよう!

今日は「敬老の日」。長寿といえば、銀さんの四姉妹がいつも話題になる。今朝も、長女(100歳)を除いた妹達(95歳、93歳、91歳)が東京のテレビ・スタジオに来て生出演。いやはやお元気だ。
 皆さんの元気の素は、とにかくよく喋ること。喋るにはパワーが要る。だから肉も大好き。とにかく話題が多い。話題を切らさないためには、新聞をよく読む。目で新聞を斜め読みするだけだと、頭に入らない。だから、音読を心がけているそうだ。
 音読は語学の勉強にも必須だ。特に、難しい単語は何度も音読して頭に叩き込まないと….。
 昨日の授業で、生徒さんが、「先生、薬剤師って、なんて言いましたか? 何回訊いても、覚えられません」と言った。確かに馴染みにくい単語ではある、特に、医学関係は難しい。いや、専門に入って行くたびに、単語は難しくなり、頭に入らない。
 そのためには、大きな声で発音することが肝心。タイ語の授業でも、タイ人講師達にお願いして、皆で音読する時間を増やしてもらおう。