沖縄の人

 沖縄へ毎月飛んで行っている生徒さんがおられる。先週の授業の時、タイ女性と結婚した彼の友人がバンコクから那覇へ転職した話を聞かせてくれたが、バンコク生まれの坊やが沖縄弁のアクセントで喋っていて、子供は環境に慣れるのが早いなあと生徒さんは感心して語った。
 授業後、家の近くまで帰って来たら緊急の仕事が入った。そこでタクシーを拾った。運転手に「景気はどうですか?」と話しかけると、「コロナ禍の時よりはいいです。歩合制だから走れば走るほど給料が上がりますので….。」と答えた。「でもね、私はもう多くを望みません。普通に仕事ができればいいです。ただ唯一願うこと、それは私の故郷である沖縄の海を子供に見せたいことだけ。なにしろ海無し県である埼玉に住んでいますからね。3年前、切符まで買っていたのですが、コロナで諦めました」
 運転手さんは沖縄の人であった。彼のアクセントは沖縄を感じさせなかった。東京で働いてもう長いのであろう。