村上木彫堆朱

 先月、新潟から親友が上京した時、「村上木彫堆朱」の箸を一膳、頂いた。箱には「新潟県無形文化財」と併記してある。村上といえば鮭。ここの鮭は格別に美味しい。鮭以外に伝統工芸の木彫堆朱が有ることは知らなかった。
 堆朱(ついしゅ)は漆を重ねて彫った赤生地のもので、茶道具でもたまに見かける。調べてみると、堆黒、堆黄も有り、本家本元の中国ではもっと精巧なる技の作品が昔から作られているそうだ。
 かつて津軽塗りのお椀や会津塗りの猪口を頂いたことがある。輪島も有名だ。雪国にだけ生まれた家内職(注:昔は武士の内職)と思いきや、いやそうでもない。香川県も彫漆で人間国宝になった名人(音丸耕堂)を輩出している。
 いずれにせよ、伝統工芸はすばらしい。高額だが、工芸の火を伝承させるためにも日本人の協力が必要。何故ならば、漆は英語で「japan」だから…..。