ショートケーキ

 クリスマスの夜、茶道教室の仲間と一緒に、鬼子母神入り口に在る食堂でショートケーキを食べた。参加者はわずかに3名。どこかから買って来たケーキかと思いきや、その食堂で働いている女性の手作りであることを知らされ、そして、その女性が我々のそばまで来て、丁重なる挨拶をしてくださったことに感銘を覚えた。真っ白い生クリームと、立派な苺。実に上品なショートケーキは彼女の腕と心を最高に表した芸術品であった。
 昨日、札幌に着いたばかりの元タイ人講師から苺の写メが送信されて来た。スキーよりもまず大粒の苺で4年ぶりの日本を味わったようだ。白銀の中で口にする真っ赤な苺。タイ人にとって待ちに待った至福のひと時かもしれない。
 雪もいい。苺もいい。「雪月花」という言葉があるが、「雪月果」もまた可なり。