語り部処

 私が生まれ育った郷里の土地は、目下、小さな美術館の駐車場として貸している。そこには茶室が2部屋有り、茶道を愛する人達がお稽古に励んでいるようだ。今週、借主から電話が有り、私の土地にプレハブハウスを置き、丸亀城下町の歴史を語り継ぐ語り部の集い、すなわち、「語り部処」として使用したいという申し出が有った。土地賃貸借契約書の中に<承諾事項=新たな付帯設備の設置>というのが有るので、それを書面で相互に確認できれば認めようと思っている。
 全国の城ブームは年々、熱を帯びている。それに刺激を受けたのか、丸亀市民が我が町のことを語り合い、子孫に残して行く重要性に気付いたようだ。
 私は郷里を離れてすでに57年半。東京が好きだから東京にしがみついている。もしも郷里の土地が有効活用されるのであれば今回の提案も悪くはない。それどころか、「メンバーになって講演をしてください」と言われている。私の話はどうしてもタイがらみとなる。今から「タイと香川」の接点を探し始めなければ….。