タイ人に間違われる私

私はずっと前からタイ人に間違われることが多い。タイ大使館に勤務していた頃は、相談でやって来る日本企業の方達から、「日本語、お上手ですね」と、よく言われた。
 警察通訳をやって今年で丸37年。タイ人達からは「アーチャーン(先生)」と呼ばれることが多い。だが、最近は、「メェー(母さん)」とか、「パー(おばさん)」と呼ばれることが多くなった。私が老けてきたからであるが、彼らにとっては私が親しみやすい顔をしているせいだ。
 先月からはマスクをして通訳をしている。したがって、目しか見えないのであるが、タイ人達は勘違いして訊いてくる。「郷里はタイのどこ?」
 「日本に何年、住んでるの?」と訊かれると、「73年」と答える。
 いずれにせよ、私の顔は、目だけでタイ人! 目の形状というよりも、タイ人に親しまれるオーラを目から発しているということだ。