目白の時計屋

9月から新しい気持ちで頑張ろうと思った矢先、時計が止まった。そこで、あわてて目白駅近くの時計屋へ行った。修理をする店主は所用で出かけたばかり。「時計、預かっておきますよ」、と留守番をしている女性。50年来、そこの時計屋で電池交換をしてもらっているから、言われるがままに預けた。
 そして、3時間後、時計を引き取りに行くと、三代目の店主が明るい顔で応対してくれた。
 「前回の電池交換は2年前の7月でしたね」
 「どうしてわかるんですか?」と、私。
 「日付を書いて、時計の中に入れてあるんですよ。その日付けから1年以内に時計が動かなくなるようであれば、電池の問題ではなくて、機械そのものが故障しているということが考えられますから」
 私は店主の誠実な仕事に感心した。
 追記:新しいタイ語を勉強した時、辞書の中のその単語の横に日付けを書いておかれることをお勧めする。どのくらいの期間で、その単語が覚えられたか、自分で納得がいくからである。