百寿 記念衣裳展

昨日、上野へ鰻を食べに行った。だが、1時間待ちであったので、上野広小路に在る鈴乃屋に入り、浴衣や半帯を見た。丁度、「小泉清子 百寿 記念衣装展」が開催されていたので、美しい着物を見たさに入場料を払って会場に入ってみた。鑑賞する人は私一人。
 小泉清子さんが百寿を迎えられたとは! NHKの大河ドラマで着物の考証を長くご担当されていたのは存じ上げていたが、もうそんなお年になられていてびっくり。会場で見張りをしておられた番頭さん風の方が私に近づいて来て、清子さんの着物の説明や、現在のご様子を教えてくださった。
 10年前に発行された『きものと一緒 六十年 清子』の冒頭を読むと、昭和22年から着物の仕事を始め、着物の美を追い求め続けた女性実業家であることがよくわかる。「白百合や 見事に咲くや 花の意地」を詠んだ彼女の俳句には、長い人生が結晶となって表わされている。