ジョージ・オーウェルの父

『パリの異邦人』(鹿島茂著 中公文庫 2011年)をパラパラめくると、英国作家であるジョージ・オーウェル(1903-50)が書いた『パリ・ロンドン放浪記』(1933年)の作品を題材にして、オーウェルの自分探しの旅が書かれてあった。
 「そう、ジョージ・オーウェルは、自分探しの旅を始める現代の若者と同じように、いままでの自分は本当の自分ではないと思い込み、年俸660万ポンドに及ぶビルマの警察官の職を投げうち、<志願して>、ロンドンとパリでの貧乏暮らしに飛び込んだのである。この決意に対して、父親のブレア氏は、日本の父親が高級官僚をやめてボランティアを始めたいと言い出した息子に対してするように、ただ肩をすくめて見せるほかなかった。<中略> 彼の計画は<道楽者(ディレッタント)のそれだと吐き捨てたそうである」
 明日は、「父の日」。有名人達が父親についての感慨を述べた文章がネットで紹介されているが、我々素人も、父親を回想して、何か記述してみてはどうだろう。