日本蕎麦店とベトナム人

我が家に泊まった知人御夫妻は昨年から浜松に在る日本蕎麦店を任されて、鋭意、頑張っておられる。8月上旬には私が彼らの家に泊めてもらったばかりである。その時は店の前を車で通っただけなので、店の中の様子はわからなかった。
 しかしながら、アルバイトとしてベトナム人を雇っていることは聞いた。そして、今回、再会した時も、彼らはベトナム人のことを話題にした。
 「宜しくお願いします。がんばります、と丁寧にお辞儀をしながら言われると、とても可愛く思われ、家に招き一緒にご飯を食べたくなります。しかし、辞めて行くのも早くて困っています。店の近くに日本語学校が有り、そこで勉強しているベトナム人を雇っているけど、突然、メールが来て、今、どこ?、と尋ねると、空港でした」
 ご多聞にもれず、蕎麦屋も人手不足に困っているらしい。ベトナム人同士で時給の情報交換をし、少しでも高いところに平気で移って行くという彼らの話を聞きながら、「タイでも同じですよ。アジアはそんなものです」と、私はアジア通ではない彼らをなぐさめた。