人生最後の食事

昨晩、友人の引越し(東京から浜松へ)を祝って、鮨職人の家でパーティーが開かれた。プロが用意し、握ってくださった鮨は何といってもネタがちがう。鮮度抜群。そのほかに、牡蠣(オードブル)も河豚🐡(和え物)も美味しかった。ししゃもの天ぷらは、まさしく本物のしゃしゃもであった。4時間、みんなは幸福に酔いしれた。
 鮨職人が「皆さん、死ぬ間際に食べたいと思う食べ物は何ですか?」と、突然、訊いてきた。Aさんは、「もちろん、鮨です」と答えた。Bさんも、「やはり鮨だなあ」と応じる。Cさんは「鮪」。Dさんは、「ビール」。Dさんは米もお菓子も食べず、ビール一辺倒だから、彼の気持ちはわかる。E子さんが、「私はぎょうざ」と言い出した。鮨とぎょうざではかなり印象が違うが、本人が好きなのだから、それはそれでいいだろう。
 「先生は?」と私のほうに問いがまわって来たので、すかさず答えた。「タイ」。自分では鯛と言ったつもりだが、周囲の方達は、あれあれ?という顔。鯛好きでも、タイ好きでも、どっちでもいいや……。