哀悼のタイ王国(31)

10月22日(土曜日)午後1時から、王宮前広場にタイ国民が集まって「国王讃歌」を斉唱するので、是非とも行ってみたらと勧められたが、午後3時から洋服の仮縫いが入っていたので、時間的に難しいと判断。そこでテレビ中継で、全体の俯瞰図を見た。
ある老人は100バーツ紙幣を掲げ、国王に別れを告げている。恰幅のいい40代の男性は千バーツ紙幣を頭上に掲げている。彼の表情は国父と息子との関係をうかがわせるに十分であった。顔に年輪を刻んだおばあちゃんも小さな体で哀悼の意を表している。15万人が集まったということであるから、一人一人の表情を文字に書き残そうとすると、数年はかかる。
プミポン国王は王宮前広場に建設される葬儀のための宮殿をどうか決して派手にはしないでほしいと言い残されたそうである。世界に類を見ない在位70年の国王。御みずから最期の最期まで、国民に対して合理的考え方の模範を示された。