哀悼のタイ王国(26)

10月21日(金)、王宮での記帳を終えて、サイアム駅まで戻って来た。パラゴンに入ると、レストランやカフェが有る2階には若者が大勢いて活気が感じられた。しかし、洋服を売っている階へ上がって行くと、人はまばらであった。
そこへ行った理由は黒い服を買うため。翌日、昔のタイ人講師と20数年ぶりに会う約束があったので、新しい服装で会いたかったからだ。チャオプラヤー河の水を浴びた服を手洗いしても、おそらくきれいには仕上がらないであろうと判断したためである。
絹製の黒い長袖ブラウスが気に入った。だが値段はものすごく高かった。東京の有名デパートの値段と変わらなかった。買うか買うまいか、しばらく迷いに迷った。だが、不景気に陥ったタイ経済に少しでも貢献しようと思って大枚をはたくことにした。
そして、もう一つの理由は、この黒服を見ると、プミポン国王のことをいつまでも思い出せることになるからと考え、自分に指令を送って買った。