哀悼のタイ王国(21)

私は平伏している時、国王に話しかけた。「1969年から今日までの47年間、タイに関する仕事をして参りました。駐日タイ大使館に勤務していた4年半は、まるでタイ王国に住んでいるかのような環境でした。私の頭の上をタイ語が行き交うものですから、タイ語を勉強したくなりました。最初は独学でした。そのうち、当時、都内に唯一有ったタイ語教室へ通い始めました。よく出来るからということで、4ヶ月目からは授業料免除になりました、そして、半年後からはタイ語を教えたらと言われ、もう先生を始めました。先生をするからには、資格が欲しいと思い、東京外国語大学大学院に進学したのです。そして、院生の時から、アジア・アフリカ語学院でタイ語を教え始めました。42歳の時から泰日文化倶楽部を主宰しております。現在まで大勢の方達にタイ語を教える機会に恵まれ、大変に光栄に思っています。70歳になりましたので、来年3月で上智大学は定年です。4月以降はいつでもタイに来て、長い休暇を過ごそうと思っていました。もう国王はいらっしゃらないのですね…..」