哀悼のタイ王国(15)

バンコク第3日目(10月21日)、王宮へ記帳に行くことにした。サイアム駅からサパンタクシン駅までBTSで行き、船着き場で並んだ。すでに大勢の人達が並んでいるのを見て、覚悟を決めた。目指すはターチャーン船着き場。
 船に乗り込むと、幸いにも後方の右船べりに席が空いていた。そこに座って、チャオプラヤー河の景色を眺めながら写真を撮った。1903年から3年間、日本女性(安井てつ女史)が校長をしていたラーチニー女学校(王家の子女のための学校)を、40年前に取材したことがあるが、ラーマ5世時代に建てられたそこの校舎が目に入って来た。
 しばし、昔の情緒に浸っていると、大波がざぶんとやって来て、ピシャリとしたかと思うと、私の身体は全部びしょ濡れになった。よける余地もなかった。目の中にまで河の水が入ったことに気づく。これぞまさしくチャオプラヤー河の洗礼か?