哀悼のタイ王国(14)

バンコク第2日目(10月20日)も、午前5時から昼まではテレビの前に釘づけになり、タイ人の胸中を間接的に取材した。王宮では僧侶供応のために毎朝、王族達が朝食を差し上げる儀式が執り行われている。僧侶達は各寺から交替で読経を唱えている。
 昼過ぎ、ホテル近くのタイ料理店へ行く。人が入っていない。窓越しに行き交う人を見たが、気のせいだろうか、まばらな感じがした。マーブンクローン(MBK)まで歩き、中の賑わいを確かめたかったが、金を売っているコーナーのうち、3つがテナント募集中であった。不景気の前兆?
 MBKを出て、国立競技場まで行くと、王宮前広場へ行く無料のワゴン車が数台、並んでいた。「おばさん、飲み物、どうぞ」と、若者達から呼びかけられた。王宮前広場へ行く一人だと思われたらしい。有り難く頂戴し、近くのコンクリート壁のところに腰を下ろして喉をうるおした。その後、すぐそばで、高齢の老人がセピア色の王室写真の複製を売っていたので、20枚ほど、買った。