哀悼のタイ王国(8)

新聞を買った後、パパイヤ(มะละกอ)とパイナップル(สับปะรด)を買って部屋に閉じこもった。テレビを見るためである。3チャンネル(ช่อง3)をつけると、キャスターもレポーターも皆、黒ずくめ。女性キャスターの場合、いずれも皆、襟が中国服のたて襟をしており、スカートも足首まで。すらりとしたスタイルのいい女性達がますますすっきり見えた。
 国王とゆかりが有った方達が次から次に登場したが、彼らも黒服で思い出話を語った。ピアニストは哀惜に耐えられないような表情でピアノを弾いた。バイオリニストも然り。ジャズのグループも深い面持ちで演奏した。国王がかつて所属しておられたグループの名前が「H.M.Blues」と言われたそうである。この「H.M.」は誰しもが、”His Majesty”であると想像するであろうが、実は”Hungry Men”の意味だと昔のジャズ仲間が語った。なかなか洒脱なネーミングであることか!