哀悼のタイ王国(7)

 シーロム通りは車が少なかった。スリオン通りに入ると、もっと少なかった。マッサージ店の店先で客待ちをしている人達は皆、黒。客は来そうにもない。まるでタイムスリップしたかのよう…..。
 サイアムスクエアのノボテル・ホテルはロビーを改装中であった。近所のセブンイレブンも改装中であった。午前中に行ったお粥の店も改装中。ということは、商売にならないので、この際、思い切って改装に踏み切ったということなのであろうか。
 チェックイン後、早速、新聞を買いに走った。国王関連の新聞や雑誌がうず高く積まれている。下世話な想像だが、タイ史上に於いて、一番たくさんの部数が売れるのではなかろうか。しかし、お店の人の顔は淡々としていた。笑顔は消えていた。
 私が買った新聞は大き目のビニール袋には入り切らなかった。もう一枚、ビニール袋を追加して数社の新聞を入れてくれた。今回のバンコク訪問の目的の一つは新聞を買い集めることであった。