哀悼のタイ王国(9)

2016年10月19日の夜、プミポン国王の初七日の儀式が王宮から中継された。荘厳なる内部、そして、国王の御棺が安置された祭壇は黄金で燦然としていた。タイ国民はテレビ画面を通してではなくて、まるで宮殿のきざはしに我が身を置いているかの如き思いをしたのではなかろうか。
 王族の方々、王室関係者、そして、高位高官の方達が先に席に着いておられた。最後に、皇太子様が黄色いロールスロイスにお乗りになって王宮に到着された。後続の従者達の車は赤のベンツであった。国王をお守りする近習(มหาดเล็ก)の制服の色が赤だから、それにならったものかもしれない。
 阿毘達磨経(พระสูตรอภิธรรม)が僧侶達によって唱えられた。この読経は毎晩、必ず斉唱されている。心安らかなる響き….。いつまでも聞いていたい有り難き読経である。