閑坐聴松風

 昨日はお茶の稽古に参加した。掛け軸に書かれた行書体の漢字は、「閑坐聴松風」。そして、掛け軸の下には、鈴虫の絵が入った香合。花は木槿(むくげ)。
 野分の頃、一人、静かに坐して、松風の音を聴く。なんと風流なことか。
 学習院大学のそばを歩いていると、蝉の合唱が聞こえてくる。仕事で出かけているので聞き流して終わりだ。このときの「聞こえる」は、タイ語では ได้ยิน dai-yin 。しかし、夜、帰宅時に聞こえてくる鈴虫の音には、心して耳を傾けて聴く。このときのタイ語は ฟัง fang 。蝉と鈴虫と、うまく住み分けしているのが面白い。