真夏の郷里

私は現役人間。同窓会で回顧趣味にふけるのはあまり好きではない。しかし、古稀の記念同窓会だから、けじめとして郷里に帰省した。
 7月2日7時10分、東京発の「のぞみ9号」に乗り、座席番号9号に座る。タイのラッキーナンバーである「9」にこだわったわけだ。岡山に10時25分到着。瀬戸大橋線がポイント故障で止まっていた。猛暑でポイントがばてたのかもしれない。
 ホテルにチェックイン後、行きつけの喫茶店で休む。おしゃれなマダムがいない。従業員にたずねると、「昨秋、交通事故で落亡くなられたんですよ」とのこと。いやもうびっくり。享年78歳。61年続く喫茶店は娘さん達が後を引き継いだようだ。
 郷里はいつ帰っても人が歩いていない。店の営業を終えて、普通に自宅に向かっていたマダムが車にはねられた。なんと残念至極なことか。