佐渡の自然

6月5日午前8時、ホテルにガイドさんが迎えに来てくださった。ガイドさんは今度の旅の企画者である私の親友の中学時代の同級生であった。したがって、同い年。12時までの4時間、効率良く、佐渡の自然を案内していただき、我々一同、大満足。
 彼は「カンゾウの花で有名な大野亀へ行きましょう」と言って、佐渡の北端まで連れて行ってくださった。「途中の二つ亀から海岸線を歩くといいですよ」と言われ、その通りにすると、佐渡の海がより身近に感じられた。ひざに自信がない私は、彼の腕を借りて、階段を下りた。
 「佐渡に住まわれて40年だそうですが、不便な点は何ですか?」と尋ねると、「不便なことがいいんですよ」と、一蹴された。野暮な質問をした自分を恥じた。
 最後に、彼は朱鷺が見えるかもしれない丘へと車を走らせた。途中の田んぼにそれらしき鳥が見えた。丘に山下清画伯の石碑が有った。その地は山下画伯の母親がかつて住んでいたところ。放浪の末、母の懐に帰るが如く、画伯はそこを終焉の地と定めたそうだ。