大阪弁の力

『小説一途』(田辺聖子・瀬戸内寂聴 著 角川学芸出版 平成22年)の中で、著名な女流作家二人が、「ユーモア小説を書ける才能」について対談している。
 瀬戸内=「田辺さんはユーモア小説がうまいわよ」
 田 辺=「それは大阪弁の力やないかと。大阪弁で考えると、考え方は全部ユーモアになってしまうの。最後もいっこうにしまらへんのよ、笑ってしまって、そういうところがありますね」
 瀬戸内=「私は徳島の出身だけど、大阪に近いものがある。徳島は昔から大阪の文化が入ってきてますからね」
 第153回芥川賞の栄冠に輝いた又吉直樹氏の『火花』。私はまだ読んでいない。だが、彼は大阪の寝屋川市出身だそうだから、彼の文章を読んでみたくなった。いろいろな方達の書評を聞いていると先入観が入ってきてしまうので、早く読まないと……。