書道・水墨画の先生

一昨日、テレビでとても素敵な書道講師の存在を知った。52年の長きに亘り住んだ棟割り長屋を改築する「ビフォア・アフター」という番組であった。広さはわずかに8.8坪。両壁は両隣りと共有。話はすべて筒抜け。79歳になる母親と52歳になる娘さんは荷物の中に埋もれて生活していた。しかも娘さんはそこで書道教室をやっておられる。
 はてさて、リフォームはどうなることやら。目を食い入るようにして流れ全般を見た。出来上がりは5百点を上げたいくらいのすばらしさ! さすが一級建築士の手になるものだ。
 生まれ変わった長屋の中は、書道を習いに来られる生徒達の教室もちゃんと確保されていた。先生が水墨画に専念できる机も工夫がこらされていた。さらには、水墨画を飾る床の間や作品を収納できる納戸も作られ、彼女の喜びたるやいかばかりか!
 私が感心したのは、荷物の中に埋もれてこれまでに描きためた水墨画のすばらしさであった。実に深淵である。中国にも留学して学んだ彼女。真の作品を作るということは、広さは全く関係なし。いかに一極集中するかが肝心なり。