キナバル山

6月5日、ボルネオ島のキナバル山で発生した地震により、日本人の犠牲者が出たというニュースが今朝、報じられた。日本人が見つかったという時には生きて下山しているものと大いに期待したのだが、残念である。
 今から8年位前、クアラルンプールからボルネオ島に飛び、コタキナバルで2泊した。キナバル山にはタクシーをチャーターして中腹まですいすいと行った。そして、森林浴をした。世界で一番大きな花であるラフレシアを見たかったが、もちろん咲いてはいなかった。何故ならば、この花は、9ヶ月間がつぼみ、そして咲くのは一週間だけだからだ。代わりに、模型の花を見た。登山家はそこから上を目指して行くのであろうが、岩盤のような地肌を写真で見て、恐くなった。
 私がコタキナバルへ行った理由は、日本の若い娘達が女衒(ぜげん)の口車に乗って、あるいは、家族のためを思って、<からゆきさん=唐ゆきさん>となって、東南アジアへ行った足跡を見るためであった。コタキナバルの町には彼女達のお墓が有った。望郷の念を込めて、お墓は日本の方に向けられているそうだが、70年以上昔の話だから、墓は朽ち果てるのみ。今やそのような話も風化してしまった。