生花 vs 布花

昨日、横須賀のホテルで行われている「横須賀支部花展 碧水薫風」へ行った。横須賀は軍港の街。週末の街を歩いている人々を見ると、異国情緒たっぷり。
 今どきの花はやはり紫陽花。私も紫陽花色の青い服を着て出かけた。もちろん意識して。
 65名の方々が活け込んだ作品をひとつひとつ丁寧に見ていると、宴会が終わったばかりの男性が私に近づいて来てこう言った。
 「私の知り合いは布で花を作っています。長く持っていいですよ」
 「あら、それは素敵ですこと。いいアイディアですね」と、私。
 だが、私は心の中で反論した。たしかに生の花はすぐ枯れる。美しさは一瞬のもの。だからこそ折々の季節の花の美が目に焼き付くのだ。埃をかぶってずっと飾られている布花よりも、私は生花に軍配を上げたい。