2つのS と 2つのI

昨晩、寮友Sさんのお通夜に参列した。御主人のご挨拶がとても叡智に満ちていた。奥様の一生、そして、お二人のご家庭のことが理知的に語られた。中でも次なるお話に心うたれた。
 「彼女は、新渡戸稲造博士が建学した東京女子大学で学びました。東女のマークは二つのS,サービス & サクリファイス、これが大学建学の基本精神であると伺っております。奉仕と献身、この二つは彼女の人格形成の基本であったと思います。 しかし、私は彼女にさらにもう二つのIを贈りたいと思います。それはインテリジェンス & インディペンダンスです。知性と独立不偏、二つのSに二つのI,これこそ彼女の性格と人生を象徴する言葉であったと思います」
 Sさんとは大学卒業以来、ずっと年賀状を交わしてきた。10年位前は韓国語を習っていると書いてあった。御主人がソウル駐在であられたことを昨夜初めて知って納得。ところが今年の年賀状には中国語を習っていると書いてあった。やはり昨夜、その理由がわかった。御子息が中国人と結婚されたので3歳の孫息子と中国語で話したかったそうである。
 Sさんは10年余にわたって体調をこわされていた。「タイのプーケットへ旅行する直前に発病しました」という御主人の説明を聞いて私は驚いた。彼女にタイを楽しんでもらいたかった。