中学生と栓抜き

 亡き寮友の葬儀はカトリック上野毛教会に於いて美しい聖歌隊の声につつまれて荘厳なうちに進行した。そして、棺は大森海岸近くの臨海斎場というところに運ばれた。行ってみると、閑散としていた。昨日は友引であったため、仏教徒の方達の葬儀が全く無かったせいである。
 御親族達と一緒に軽食をとっている時、中学一年生のお孫さんが、瓶に入ったジュースやウーロン茶の栓を栓抜きで開けるのに格闘していた。非常に不思議に思った。しかし、やがてその理由がわかった。最近のお子さん達はペットボトルの栓を回すとか、缶のプルトップを引き上げるとか、紙パックに入った牛乳を飲んでいるから、昔ながらの栓抜きは使わない。この調子だと、缶切りで缶のふたをあけるのも無理だろう。
 しかしながら、年をとってくると、そのペットボトルの栓を回すのに四苦八苦。指先に力が入らないから開かない。ペットボトルの飲料を飲む時は、だれか若い人を必要とする。だが、「栓を開けてくださいな」と頼むのが恥ずかしい。指先体操をして、握力をキープしておかなければいけないなあ。