帰国子弟多し

長い長い春休みが終わり、昨日から上智大学での講義が始まった。一番に心配していたのは体調。風邪をひいては大変。語学講師は声が商売道具だから。あとは精神的安定度。だが、体調も気力も万全な条件で教壇に立つことができた。
 初級クラスの受講生は32名。それに公開講座から参加している大人が4名。計36名なり。いやあ、多いなあ。だが、そこは私。45年間の実績を持っている。学生の人数が多かろうが少なかろうが、なんとでもなる。その証拠に、教室では笑いがよく聞こえてきた。覚えがいいのは上智大生だから当然だが、とても明るいのには救われる。
 「タイからの帰国子弟の方、手を挙げてください」と言うと、10名位の学生が挙手した。一番前に坐っていた女子大生に「何年間?」と訊くと、「15年間」と答えた。それにはびっくり。だが日本人社会の中だけで暮らしていたようだ。だから、タイ語の勉強はこれから。体の中にしみついているタイ語の音を目覚めさせてあげるのが私の役目。2015年度の授業が楽しみになった。