天職

昨晩、NHKの番組で、岐阜市内の駐車場で行われている「夜市」のことが放映された。客達から<やっさん>と呼ばれている80歳のおじいさんが取り上げられていたが、彼の言葉、そして、行動に感銘を覚えた。
 やっさんは50年間の長きにわたり、その駐車場で野菜を売り続けて来たそうだ。父親の残した畑で野菜を栽培し、それを軽トラで運んで来ては売り続けること50年。健康でないと、そうそう続けられるものではない。背中は曲がっているものの、客との応対はしっかりとした口調で通している。
 「天職です。ですから、まだまだ頑張りますよ」
 自分で作ったものを、仲介業者を通さずに、待ちわびている客のもとに運んで来て、そして、対面販売をする。客それぞれに優しい。
 彼の口から出た「天職」という言葉は、まさしく本物である。