同姓同名

昨日の午後、マッサージへ行った。だが、会員券を忘れたので、受付の方にその旨を伝えたところ、名簿でわかったので大丈夫ということになった。
 30分後、受付のカウンターを見ると、私の名前を書いた会員券が置いてあった。気をきかせて再発行してくれたと思った。だが、よく見ると、名前の漢字が間違っている。
 「有難うございます。でも、名前の漢字が違っているのですが….」
 すると、受付の方は、首を横に振って、「あなたのものではありません」という合図を送った。そうこうしているうちに、その会員券の真の持ち主が施術を終えて、私の横に立った。
 私は驚いた。同姓同名の女性だ! 私と彼女はソファーに並んで座った。彼女はお茶、私は新聞を持ちながら。
 よほど彼女に話しかけたかったが、失礼なのでやめた。それにしても不思議。この広い東京の空の下で、同姓同名の女性と5分、偶然に同席したことが。